新東京タワー(東京スカイツリー)を考える会

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2013/06/07 東京スカイツリー:送信移転から1週間 電波障害、新たに3万件

2013/06/07 東京スカイツリー:送信移転から1週間 電波障害、新たに3万件

東京タワーから東京スカイツリーに在京テレビキー局の電波送信が切り替わって1週間が過ぎた。切り替え後、電波障害は新たに約3万件見つかった。さらに、これまで映っていた千葉や埼玉などのローカル局の番組が見られなくなる“2次被害”も多発している。

NHKと在京民放5社が5月31日午前9時に送信所を切り替えてから、5日までにコールセンターに寄せられた障害の件数は2万9978件。昨年12月から移転直前まで続けた試験放送で見つかった分を合わせ15万3958件に上った。

5月24日の移転日発表の際、NHKの久保田啓一理事は記者会見で「ほぼ大丈夫といえる段階になった。総数は12万5000件を想定している」と、円滑な移転に自信をのぞかせた。しかし、総数は想定を超え、移転後判明分は全体の2割近くに達した。昨秋から目標と定めた5月移転に固執し、未対策の視聴者が置き去りにされた。TBSの石原俊爾(としちか)社長は「想定より多いが、1日に2500件は工事ができる。スムーズに対応できる」と語る。

移転前の障害は、対策がほぼ完了。問題は移転後に判明した分だ。全てのチャンネルが映らないケースは1割程度で、他は一つか二つのチャンネルだけ映らないケースが目立つという。映らないチャンネルが一部だと工事を急がない人が多いせいか、コールセンターにクレームが殺到する事態は免れている。

一方、新たな問題も浮かび上がった。キー局は見られるが、ローカル局の千葉テレビやテレビ埼玉、東京タワーから送信している放送大学などが見られなくなってしまうケースだ。東京タワーと比べ2倍近い高さのスカイツリーは、障害物が少なく地面などに反射せずに強い電波が届きやすい。このため、千葉や埼玉などでは電波の強さを調節するブースターや、アンテナの向きを調整しないと、地元局の送信所や東京タワーの電波が受けられなくなった世帯が多い。

移転後に見つかった障害の約4割を、ローカル局が占める。テレビ埼玉には視聴者から「映らなくなった」という問い合わせが1日に100件以上寄せられており、同局幹部は「一刻も早く対策工事を進めてほしい」と話す。NHKとキー局はこうした2次的な障害の対策費も負担。移転後判明した障害の約6割が対策工事を終えているという。

(毎日新聞)

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