新東京タワー(東京スカイツリー)を考える会

新東京タワー(東京スカイツリー)を考える会

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2006/12 環境影響評価調査計画書

 環境影響評価調査計画書
 
1.事業者の名称、代表者の氏名及び所在地
この事業の基本情報
ap01-05.pdf
(5.2MB)
2.対象事業の名称及び概要
3.対象事業の内容の概略
4.対象事業の目的及び内容
5.事業計画の策定に至った経緯
6.地域の概況
事業が実施される地域の基本情報
ap06.pdf (14.4MB)
7.環境影響評価項目の選定
このアセスで何を調査するのか
ap07.pdf (1.4MB)
8.調査等の手法
上記7について、どのように調査するのか
ap08.pdf (11.4MB)
9.当該対象事業の実施が環境に影響を及ぼすと予想される地域を管轄する区市の名称及びその地域の町名
この事業が影響を及ぼす範囲など
ap09-10.pdf
(3.1MB)

1 拙速な誘致

 2004年11月25日に、山﨑昇・墨田区長が区議会本会議で、新タワーの誘致を表明。墨田区が建設地の第1候補地と発表されたのが、翌年3月28日。この間、わずか4カ月。住民への説明不足は明らかです。新タワーのメリットだけでなく、心配されるデメリットについても住民に示し、それら両面から十分に検討をした後に、新タワーを誘致するかどうか決めるべきでした。

0 スカイツリーは不要

 スカイツリーの建設目的について、建設主体である東武鉄道子会社の東武タワースカイツリー株式会社は、「デジタル電波による安定した美しい映像を、関東一円に届けるために、従来よりも高いテレビ塔が必要になりました」(東武鉄道、新東京タワー株式会社(当時)による2006年11月付パンフレット)と説明しました。新タワーを誘致した墨田区は、東武によるこの説明内容を訂正しませんでした。このため、多くの周辺住民や視聴者が「地デジ化には新タワーが必要」と誤信しました。しかし、2011年7月に東京タワーからの電波によって関東の「完全地デジ化」が達成され、地デジにはスカイツリーが「不要」だったことが証明されたことにより、東武による上記説明が虚偽だったことが確定しました。
 新タワーによるテレビ視聴者への恩恵は、ワンセグ放送受信時にビル陰等の影響を受けにくくなることだけです。では、なぜ新タワーが建てられたのでしょうか。東武は新タワーで観光客などを誘致して儲けたいと考えました。在京テレビ6社は、携帯端末の普及を目のあたりにして、ワンセグを普及させれば何かうまみのある商売ができると夢を見たのでしょう(ただし、ワンセグで稼ぐための新たなビジネスモデルはいまだに何もありません)。墨田区長は、スカイツリー誘致で政治的名声を得るとともに、周辺開発による利権に期待したのかもしれません。
 スカイツリーが建設されれば、大小は別として、または良くも悪くも、必ず何らかの影響が出ます。スカイツリーが本当に必要なものであり、その悪影響が小さいものであれば、スカイツリーをイヤだと思う人々も、それをガマンしなければならないかもしれません。
 しかし、そもそもスカイツリーは、なくても良かったものです。なくても良かったもののために悪影響が出て、それをガマンしろというのは理不尽です。

3 経済的影響

東京スカイツリーの“足元”にある大型商業施設「東京ソラマチ」による観光客、買い物客の囲い込みにより、周辺商店街などが影響を受けています。

詳しくは、こちら

2011年総務省「公開」資料 スカイツリー移転による電波障害

 テレビの地上波デジタル放送の電波送信場所が東京タワーから東京スカイツリーへ移転することにより、新たな受信障害地域が発生するため、現在、在京テレビ各局は、2012年5月の移転を目ざし、スカイツリーからテスト送信を行い、正常に受信できるかどうか確認するよう、視聴者へのPRに躍起です。
 受信障害の発生は、当会が当初から指摘していましたが、総務省はなんと、受信障害はほとんど起こらないと明言していたのです。
 総務省は在京テレビ6社に対して2007年12月12日付で、新タワー移転に伴う影響の内容、規模及び程度や、それらへの対応策などについて翌年4月までに回答するよう求めました(ローカル局である東京MXテレビに対しては、同社による新タワー移転方針決定後、2008年12月に同様の要請をしました)。
 6社は連名により2008年4月23日付及び同年7月31日付で、総務省へ回答書を提出(MXテレビも2009年3月25日付及び同年4月23日付で提出)。これらの回答を踏まえて総務省の奥放送技術課長は2009年1月16日に開かれた地デジについての審議会で、委員らに以下のように説明しました。
 「(東京タワーと東京スカイツリーの)方向が大きく変わるというところは、主として東京23区とか、そういった比較的タワーから近いところであるので、非常に電波の強さが強いところでもあり、必ずしもアンテナの向きがタワーを向いてなくても、引き続き今のままで視聴可能であろうということである。比較的電波が弱いところは、距離が離れているので、相対的にアンテナの方向というのは変わらないということで、それについても影響はほぼ出ないだろうということである。あと、ビル陰の影響についても同様であり、スカイツリーというのは、東京タワーに比べタワーの高さがかなり高くなるので、比較的影響の出やすい都心部においては、そのビル陰の影響はほとんど出ないだろうと。あと、離れているところについても、基本的には新タワーと旧タワーの方向が遠いところではさほどずれないということで、ビル陰の影響も大きく変わらないだろうということであるので、現時点においては視聴者への影響はほとんどないのではないかという見方である。仮にもし影響が出るという場合においては、これは放送事業者の事業上の都合で移転するということであるので、放送事業者側で責任を持っていきたいということでお話を伺っているという状況である。」(注1)
 「視聴者への影響はほとんどない」という総務省の説明が本当なのかを確認するために、筆者(当会共同代表・網代)は総務省に対し、テレビ各社による回答文書などの開示を請求しました。それらには、新たな混信が想定される地域や、新たなビル陰障害が想定される地域について図示され、混信の発生規模についての文章が書かれていましたが、図も文章もほとんどすべて墨塗りされ、非開示とされました。非開示部分については「当該法人の内部情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため」などの非開示理由が付けられました。また、筆者は同時に、テレビ各社による回答の妥当性について総務省(又は総務省が委託等を行った第三者)が検討評価した文書についても開示を求めたが、そのような文書は不存在とのことでした。
 筆者は納得できなかったので、総務省に対して2009年8月に情報不開示決定への異議を申し立てました。異議申立ては法律に基づき、情報公開・個人情報保護審査会に諮問され、同審議会で審議されました。テレビ各社はそれぞれ、同審議会に情報不開示を求める「意見書」を提出しました。意見書には以下の通り書かれていました。
 「(開示を求められた)提出資料には、2008年4月及び7月段階で暫定的に実施したシミュレーション検討による予測値を元に作成しています。(略)今後の検討制度の向上や受信対策技術の具体化・効率化等により、2008年4月段階の発生予測と2012年の新タワーへの移転の(ママ)伴い生じる受信件数や規模には相当の乖離があると考えています。(略)(当該資料が)公表されますと多くの受信者等に無用の混乱を与えることにもなりかねません」(株式会社テレビ朝日提出の2009年6月16日付「行政文書の開示に関する意見書」)
 他のテレビ各社の意見書もだいたい同じ内容でした。すなわち、筆者が開示を求めた資料の墨塗りの下に “受信障害などがそれなりの規模で発生する”ことが記載されていることを、テレビ各社自らが事実上認めていたわけです。にもかかわらず、総務省課長は「視聴者への影響はほとんどない」と公の場で明言していたことになります。情報を隠したうえでウソをつくのは、原子力発電所の問題と変わらない、日本の官庁の体質です。
 筆者の異議申立てについては、同審議会は1年半以上もかけて審議した末、2011年6月13日付で、不開示を妥当とする答申を出しました。
 ただし、審議中の同年2月に総務省が墨塗り部分のうち、ごく一部の追加開示を認めました。このとき、総務省が開示した資料は、以下の通りです。

(1)新タワーへの放送局の無線設備の設置について(要請)
(2)東京スカイツリーへの放送局の無線設備の設置について(要請)
(3)新タワーへの親局移転に関する検討状況について(報告)
(4)新タワーへの親局移転に伴う隣接チャンネル混信の検討結果について
(5)「東京スカイツリーへの放送局の無線設備の設置について(要請)」に対するご回答
(6)新タワー移転に係る補足資料

 注1 総務省「情報通信審議会地上デジタル放送推進に関する検討委員会(第42回)議事要旨」12~13頁