新東京タワー(東京スカイツリー)を考える会

新東京タワー(東京スカイツリー)を考える会

記事

2013/06/11 東京スカイツリー周辺における電磁波測定調査

テレビの地上波デジタル放送(地デジ)電波を関東地方へ送信することなどを目的に建設された東京スカイツリー(東京都墨田区)。この新タワー周辺で電磁波を測定した。測定データについてはなお整理、検討中だが、これまで分かったことについて、とりあえずのご報告をさせていただく。

スカイツリーからの電波

スカイツリーからは、地デジ以外にも様々な電波が送信されている。主なものは、以下の通りである(表1)。それぞれの送信アンテナの場所は、図1の通りである。

(1)マルチメディア放送

NTTドコモのグループ会社が運営する「NOTTV(ノッティーヴィー)」が、昨年4月1日の放送開始時より、関東地方への電波をスカイツリーから送信している。 NOTTVはスマートフォンなど携帯端末向け専用のテレビ放送。2011年の地上波アナログテレビ放送終了で空いたVHF帯の電波を利用している。ドコモの携帯電話等のうち、この放送に対応している一部機種を入手しないと視聴できない。

(2)タクシー無線

各タクシー業者が共同で設置した「東京スカイツリータクシー無線集中基地」が昨年(2012年)3月初旬から試験運用を開始し、同年4月23日から本運用された(1)。 スカイツリーの第一展望台の下、地上約300m付近の南西および北東の2か所にアンテナが設けられ、東京23区内全域をサービスエリアとしている(2)。

(3)FMラジオ

FMラジオのJ-WAVE、NHKFM、及びFM電波を利用したVICS(道路交通情報通信システム)は昨年4月23日、東京タワーからスカイツリーへ電波送信所を移転させた。 TOKYO FMは、スカイツリーへ移転せず、東京タワーに留まっている。送信アンテナを従来より100m以上高い東京タワーの頂上部(高さ333m)へ移し、今年2月11日から運用を始めた(3)。

(4)地デジ(TOKYO MX)

テレビの地上波デジタル放送のうち、東京ローカル局であるTOKYO MXの電波は、在京テレビキー局に先駆けて、昨年10月1日にスカイツリーからの電波送信を開始した。TOKYO MXの場合、東京タワーからの電波とスカイツリーからの電波とは周波数が異なっており、両タワーから同時に電波を出しつつ、東京タワーからの電波のほうを段階的に弱くしていった。約7カ月かけて受信障害を報告した家庭などへ対応を取り、今年5月13日、東京タワーからの電波を停止した。 しかし、キー局送信所のスカイツリー移転によって、TOKYO MXに新たな受信障害が発生しているという(4)。

(5)地デジ(キー局)

キー局の場合は、東京タワーからスカイツリーへの移転前後で、周波数は変わらない。このため、TOKYO MXのように両タワーから同時に電波を送信すると、干渉による受信障害が発生する。なので、スカイツリーからの電波送信開始と東京タワーからの停波は同時に行わなければならない。 各キー局は、スカイツリーへの移転による電波障害の規模は大したことないと考えていたとのことだが、スカイツリー完成後の調査で電波障害が大規模に発生することが判明。予定していた今年1月の移転を延期し、11万件以上に及んだ受信障害対策を進めたうえで、5月31日午前9時に移転した。もちろん、この日までに受信障害がゼロになったわけではなく、午前9時から1時間だけで787件もの受信障害情報が寄せられた(5)。「5月にスカイツリーへ移転予定」と叫び続けてきたキー局の面目を保つために、視聴者が犠牲になった。

表1・スカイツリーから送信される主な電波

 

図1・スカイツリーの主なアンテナの設置位置

受信テストを利用した電磁波測定

スカイツリーからの電波によって、周辺環境はどのように変わるのだろうか。当会は昨年にも、スカイツリー周辺で高周波電磁波の測定を行った。キー局の送信所移転後と比較することが目的だった。 その後、前述の通り、キー局の送信所移転による受信障害が判明。実際に障害が起きた家庭などについて個別に対応するしか手立てがないため、各キー局は、東京タワーからの電波を一時的に止めて、スカイツリーから電波を出す「受信テスト」を繰り返した。障害発生に気づいた視聴者からの連絡を受けて、必要な場合は業者が派遣された。

受信テストは昨年12月から、土曜日の早朝などに5分間行われた。3月からは日中なども含め1時間のテストが行われ、5月には「移転リハーサル」と称して、3時間、6時間、10時間のテストも行われた(最初と最後の1分間は説明を行うなどのため、テスト送信の正味時間はそれぞれ2分間短い。たとえば3時間の受信テストの場合、スカイツリーから実際に電波が送信されるのは2時間58分となる)。

当会は、この受信テストを、環境電磁波測定の好機ととらえた。なぜなら、受信テスト中と、その前後の受信テストを行っていない時間帯(または前後の日など)に測定を行えば、スカイツリーからの電波の中で最大出力であるキー局の電波がある場合とない場合との比較ができるからである。 第2世代携帯電話サービスが昨年7月に終了し、LTEやWiMAXの基地局が増え、また、通信量が多いスマートフォンが普及するなど、私たちの身の回りの電磁波環境は急速に変化している。受信テスト中と、その前後の時間帯(またはその前後の日など)とで測定すれば、数時間から1日の間に携帯基地局が増える確率はあまり大きくないので、キー局地デジ電波の送信場所の違い以外は、まあまあ同じ条件下で測定できる。

もちろん、まったく同じ条件というわけではなく、また、測定時には携帯電話端末・基地局の電波などスカイツリー以外の電波の影響を受けざるを得ない。スカイツリーからの電波だけを正確に調べるためには、周波数ごとの強さが分かるスペクトラムアナライザで測定する必要があるが、残念ながら私たちは入手できない。たとえ大まかであっても、スカイツリーによって私たちの環境がどう変わるのか、地元住民として把握しておきたいと考えた。

また、地上波アナログ放送電波を送信していた東京タワー周辺で2001~2年、NPO法人市民科学研究室が行った電磁波測定調査(6)でもわかるように、複数の局から少しずつ違った周波数の電波が地上に向けて送信される場合、周辺の建物の位置や形も関係して、反射波や回折波の重ね合わせが生じて、特異的に高い値を示すスポットができることがある。そうしたスポットを計測によってあらかじめ見出しておくことも重要だと思われる。

測定方法

(1)測定場所

市民科学研究室代表の上田昌文さんによるアドバイスにしたがい、スカイツリーから8方向へ水平距離で100m置きに測定することにした。測定場所の設定のしやすさなどから、方向によってタワー近くの0.1~0.3km地点から、3.0(西方向)~4.9km(南方向)地点にかけて測定。測定場所は全部で269カ所となった。

測定場所は、次のように決めた。ネットの地図上で距離を測定できるサービス「キョリ測」(7)を利用し、地図上にタワーから100m置きに印を付け候補地とした。候補地へ行き、タワーがよく見えない場合は、前後最大30mまで距離をずらして見える場所を探すか、または最低でもタワーの地デジアンテナが見える場所を選んだ。タワーが見える場所が見つからない場合は、その距離については測定しなかった。

(2)測定日時

スカイツリー受信テストの実施時間が1時間の場合は、テスト開始前の概ね3時間以内、テスト中、テスト終了後の概ね3時間以内の、計3回ずつ同じ地点を測定した。 受信テストの実施時間が3時間以上の場合は、原則としてテスト前日のだいたい同じ時間帯、テスト中、テスト翌日のだいたい同じ時間帯の、計3回ずつ同じ地点を測定した。

(3)測定器

当初はTM-195を使用したが、信頼性が高いとされるEMR-300を電磁波問題市民研究会からお借りできた。結局、TM-195で測定済みの場所も含めて、全地点をEMR-300で測定した。

タワーから0.7kmに“ホットリング”

受信テスト中の最高値は0.621μw/c㎡(1.53V/m)だった(60秒平均値。V/mで測定しμw/c㎡へ換算。以下同様)。この地点は東京タワーから送信中の測定でも0.357~0.376μw/c㎡(1.16~1.19V/m)と高めであった。 電磁波問題市民研究会で測定を担当している鮎川哲也さんにデータをお見せしたところ「これまで測定した他のポイントと比べて(キー局電波が送信中か否かに関わらず)全体的にかなり高い値の場所が多い」との指摘であった。

8方向の測定結果のうち、東方向を図2に示す。キー局電波が東京タワーから送信されている時間帯における2回の測定値の平均値と、受信テスト中の測定値との差が、スカイツリーからのキー局電波のおおよその強さを示している。タワーから離れていくと電波は単純に右肩下がりで弱くなるのではなく、強くなったり弱くなったりを繰り返しながら弱くなっていった。上田さんは「東京タワーで測定した時と同じパターンが見られる」と指摘した。

すべての方向でタワーから0.7km地点(方向によっては0.6km又は0.8km地点)の電波が特に強く、東京タワーからのキー局送信時(2回測定の平均)と比べて0.128~0.554μw/c㎡上昇し、0.281~0.613μw/c㎡(1.03~1.52V/m)であった。ホットスポットならぬ、いわば“ホットリング”が生じるわけだ。もちろん「ホット」と言っても、電波防護指針(数百μw/c㎡)を大幅に下回ってはいるのだが。

受信テスト中の測定値が特に高かった測定地点と、受信テスト中の測定値が東京タワーから送信時の測定値に比べて特に上昇した地点とを、図3に示した。タワーから0.7km以外にも、上昇幅が大きくなる距離がありそうだ。

逆に、タワーの近くであってもスカイツリーからの送信時と東京タワーからの送信時とで測定値にあまり差がなかった距離もあり、たとえば1.3km地点(方向によってはその前後)がそうであった。総務省によると、地上10mの高さで、放送電波が0.001V/m以上ならば視聴できるとのことである(8)。

以上をまとめると、タワー周辺地域がタワーから受ける電磁波の影響は一様ではなく、タワーからの距離が少し変わるだけで電磁波の強さが比較的大きく変化する場合がある、ということが言えそうだ。

図2・スカイツリー電波測定(東方向)

 

図3・キー局地デジの受信テスト中(スカイツリーから送信中)に特に測定値が高かった地点、及び、東京タワーからの送信時に比べて受信テスト中の測定値が特に上昇した地点

謝辞など

当会では、測定地点からのスカイツリーの見え方と測定値の関係等々、今後とも得られたデータの整理、検討をしていく。

ついに5月31日、スカイツリーからキー局電波の送信が始まった。私たち地元住民は、従来とは違う環境に住むことを余儀なくされている。住民に健康影響等が出ないことを願ってはいるが、携帯電話基地局レベルの電磁波で健康影響が起きているという全国各地からの報告を鑑みれば、安心することはできない。

最後に、測定方法などについてアドバイスをいただき、一部の測定にも参加してくださった市民科学研究室の上田昌文さん、測定結果へのコメントなどをいただいた電磁波問題市民研究会の鮎川哲也さん、測定器をお貸しくださった電磁波問題市民研究会に、お礼を申し上げます。

網代太郎(新東京タワー(東京スカイツリー)を考える会)

(1)フジテレビ
(2)日本アンテナ株式会社
(3)株式会社エフエム東京
(4)電磁波問題市民研究会からの情報
(5)2013年5月31日付『毎日新聞』
(6)
市民科学研究室
(7)キョリ測
(8)総務省「地上デジタルテレビ放送のエリアの目安(関東広域圏東京親局)」

2013/06/07 東京スカイツリー:送信移転から1週間 電波障害、新たに3万件

東京タワーから東京スカイツリーに在京テレビキー局の電波送信が切り替わって1週間が過ぎた。切り替え後、電波障害は新たに約3万件見つかった。さらに、これまで映っていた千葉や埼玉などのローカル局の番組が見られなくなる“2次被害”も多発している。

NHKと在京民放5社が5月31日午前9時に送信所を切り替えてから、5日までにコールセンターに寄せられた障害の件数は2万9978件。昨年12月から移転直前まで続けた試験放送で見つかった分を合わせ15万3958件に上った。

5月24日の移転日発表の際、NHKの久保田啓一理事は記者会見で「ほぼ大丈夫といえる段階になった。総数は12万5000件を想定している」と、円滑な移転に自信をのぞかせた。しかし、総数は想定を超え、移転後判明分は全体の2割近くに達した。昨秋から目標と定めた5月移転に固執し、未対策の視聴者が置き去りにされた。TBSの石原俊爾(としちか)社長は「想定より多いが、1日に2500件は工事ができる。スムーズに対応できる」と語る。

移転前の障害は、対策がほぼ完了。問題は移転後に判明した分だ。全てのチャンネルが映らないケースは1割程度で、他は一つか二つのチャンネルだけ映らないケースが目立つという。映らないチャンネルが一部だと工事を急がない人が多いせいか、コールセンターにクレームが殺到する事態は免れている。

一方、新たな問題も浮かび上がった。キー局は見られるが、ローカル局の千葉テレビやテレビ埼玉、東京タワーから送信している放送大学などが見られなくなってしまうケースだ。東京タワーと比べ2倍近い高さのスカイツリーは、障害物が少なく地面などに反射せずに強い電波が届きやすい。このため、千葉や埼玉などでは電波の強さを調節するブースターや、アンテナの向きを調整しないと、地元局の送信所や東京タワーの電波が受けられなくなった世帯が多い。

移転後に見つかった障害の約4割を、ローカル局が占める。テレビ埼玉には視聴者から「映らなくなった」という問い合わせが1日に100件以上寄せられており、同局幹部は「一刻も早く対策工事を進めてほしい」と話す。NHKとキー局はこうした2次的な障害の対策費も負担。移転後判明した障害の約6割が対策工事を終えているという。

(毎日新聞)

2013/04/30 スカイツリー移転による電波障害10万件超に

スカイツリーからのテレビ電波試験放送が連日おこなわれ、インターネット上ではそのせいでアニメが見られないなどと怒る人が続出している。ツイッターなどのインターネット上にも、画像が乱れ、ほとんど見られなかったなどという苦情が相次いで投稿された。
「先週はこの時間から急にスカイツリー電波のテストとかでウィザードとプリキュア見れなくなりましたね(憤慨」(3月31日)
「プリキュア映りません。スカイツリー死んでください」(4月21日)
また、移転をしない局でも、スカイツリーからの電波が強すぎて入らなくなるという例もある。
「スカイツリーの電波が強すぎて千葉テレビ、群馬テレビ、放送大学が見えなくなり、テレビ埼玉も信号レベルが低下。放送大学はスカイツリーに移転しないから深刻」
27日付けの産経新聞によると、こうした、東京タワーからのテレビ電波と東京スカイツリーからのテレビ電波の両方を正しく受信できるようにするための作業が必要な「要対策世帯」は22日までの累計で10万2175件だった。このうちの約 7割が工事済みまたは工事予定という。

(J-CASTニュース 2013年4月30日)

2012/05/20以前のトピックス

「東京スカイツリーの観光施設としての開業にあたって」(2012年5月20日 新東京タワー(東京スカイツリー)を考える会)
 新東京タワー(東京スカイツリー)が東京都墨田区押上に建設され、2012年5月21日、観光施設としての開業を迎えようとしています。
 新タワーは「テレビの地上デジタル化のために必要」とされてプロジェクトが始まりました。しかし、スカイツリーから地デジの電波が出るのは、来年1月からとされています。それでも現在、首都圏でテレビを見られなくて困っている人たちがいるという話は聞きません。そもそもスカイツリーは「不要なもの」「なくても良いもの」です。
 なくても良いのに、人口密集地に、あのような巨大なものを建ててしまいました。そのために、地元のくらしや仕事に、さまざまな問題が起こる可能性が指摘され、すでに問題も指摘されています。
 新タワーからは、地デジなどのたいへん強い電波が送信されます。環境アセスメントの結果によれば、イタリア、ロシア、中国などでの基準値等を上回ります。これらの国だったら、スカイツリーを建てることはできません。
 携帯電話中継基地局からの電波による健康被害を訴える声が、全国各地で相次いでいます。スカイツリーにからの電波による健康影響も懸念されます。電波による健康影響は、他の原因でも出る症状ばかりです。健康影響が出ても、東武も墨田区も簡単にはスカイツリーのせいだと認めず、被害が拡大し続ける…そのような懸念が杞憂であると決めつけることはできません。地デジなどの複雑な変調を施した新しい電波に、大勢の人々を毎日被曝させることは、人体実験に他なりません。
 当会は今後とも、スカイツリーへの警戒を怠らず、電波による健康影響をはじめとした情報収集、スカイツリー周辺での自主的な電波測定など、情報を収集・発信していき、健康影響の疑い事例が生じた場合は、断固とした行動をとっていきたいと考えております。

「市民活動のひろば」に寄稿(2012年3月20日)
 こちらをご覧ください

東京スカイツリーはほんとうに世界一になれるか?
 東京スカイツリーの高さが634mに変更になるという発表があった。しかし、アラブ首長国連邦ドバイ市に建築中のブルジュ・ドバイが818mと段違いに高い。しかも、先端はテレビアンテナだが、れっきとした160階建ての高層ビルでホテルやマンション、オフィスが入居する。すでに建築物自体は完成しており、あとは入居が始まるだけとなっている。つまり、スカイツリーは「現存する自立式鉄塔としては世界一」でしかなく、建築物としては完成をしても世界第2位なのだ。
 それだけではない。2014年には中国に平安国際金融センター(646m)が完成する。そして、2015年には韓国ソウル市にサンガムDMCタワー(640m)が、2016年にはクウェートにマディナ・アルハリール(1001m)が計画されている。また、現在計画中で完成時期は未定だが、サウジアラビアのジッダ市にはマイル・ハイタワー(1600m)が計画されているのだ。東京スカイツリーも完成して10年もすれば、世界5位くらいになってしまいそうだ。(2009/11/11マイコミジャーナル)

高さ「世界一」の東京スカイツリー 競争のむなしさ指摘する声
 東京スカイツリーの建設主体である東武タワースカイツリーは10月16日、東京スカイツリーの高さを当初より約24メートル高い634メートルにすると発表した。中国・広州で建設中の610メートルのテレビ塔を意識して、これを上回って自立した電波塔では世界一の高さとなる。設計や強度を変更したり総事業費(650億円)を見直したりしなくても、先端のアンテナ部分を長くして最高640メートルまで“背伸び”できる奥の手を使った。だが今後、仮に広州が同様に上積みして逆転されれば、再逆転はできないという。東京経済大の柴田徳衛名誉教授(都市問題)は「すぐに追い越されるかもしれない」と、競争のむなしさを指摘する。(2009/10/24 産経ニュース)

欧州議会が電磁波の基準値を見直すよう求める文書を採択
 欧州議会(直接普通選挙で選ばれた議員で構成され、欧州委員会や欧州理事会に対する質問、予算案の審議を行なう)は、電磁波についての基準を見直すよう求める内容を含む採択文を賛成522票対反対16票で採択した。携帯電話の使用と脳腫瘍を結びつける科学的証拠が大きくなっていることなどを考慮し、欧州議会は「一般人のために設定された電磁場の被曝限度値は時代遅れだ」と述べた。欧州議会は、すでにいくつかのヨーロッパ諸国が被曝限度を引き下げたことに留意し、0.1MHz~300GHz周波数帯のあらゆる機器から発生する電磁波についての勧告「1995/519/EC」を改正することを欧州理事会(EUの行政執行機関。加盟国の元首・首脳、欧州委員会委員長で構成)に求めている。
  欧州議会のプレスリリース
    和訳(電磁波から健康を守る百万人署名連絡会議のウェブサイト)
  『Medical News Today』記事
    和訳(同上)

大林組が、新東京タワーの工事費の値上げを要請
 大手建設会社が鋼材価格の上昇を受け、着工済み建築物の工事費引き上げ交渉に乗り出した。大林組は「新東京タワー」で最大2割程度の値上げを発注者に要請した。代表的な建築用鋼材である「H形鋼」の価格は今年初めに1t8万円だったが、現在は1.5倍の12万円台で推移している。鋼材価格の上昇前に契約を結んで着工していた場合、鋼材費は当初見積もりより大幅に上がっている。建設各社は採算悪化を避けるため工事費引き上げに動き始めた。(9/22 NIKKEI NET マネー&マーケット)

携帯電話の使用で子どもたちの脳腫瘍リスクが5倍に
  欧州議会は各国に電磁波規制強化を求める
 子ども達と10代の若者は携帯電話の使用で、脳腫瘍の発症が5倍になるという驚くべき新たな研究が示された。この研究は今日の若い人たちは、将来、がんの”多発”に直面するかもしれないと、専門家らは述べている。
 その研究は、スウェーデンのオレブロ大学病院のレナート・ハーデル教授指導の下に実施された最大規模の研究のひとつから得られたデータのさらなる分析によってもたらされた。ハーデル教授は、電磁波研究トラストによって王立協会で開催された会議で、20歳以前に携帯電話の使用を開始した人々は中枢神経を支えるグリア細胞のがんである神経膠腫に5倍罹りやすいと述べた。また多くの家庭で見られるコードレス・フォンの使用で障害を受ける若い人々のリスクは4倍高いと述べた。携帯電話を若い時に始めた人々は、良性ではあるが聴覚神経を損ない、通常耳が聞こえなくなる聴覚神経腫瘍に5倍罹りやすくなると彼は付け加えた。これとは対照的に、20歳を過ぎてから携帯電話の使用を開始した人々は、神経膠腫については50%、聴覚神経腫瘍については2倍高いだけであった。
 先週、欧州議会は、ヨーロッパ全土の大臣に対して、子どもたちは特に脆弱であることなどを理由に、携帯電話やコードレス・フォン、 Wi-fi 無線LAN、その他の機器からの電波への暴露をもっと厳しく制限することを強く推進することについて、522対16の表決で採択した。子どもたちの脳と神経系はまだ発達中であり、また子どもたちの頭は小さく頭蓋骨は薄いので、電波は脳により深く浸透するという理由で、子ども達には特にリスクがある。(9/21 インディペンデント 化学物質問題市民研究会による和訳

7月14日、新タワー着工
 事業者のウェブサイト

正式名称が「東京スカイツリー」に
 
事業者のウェブサイト

新タワー建設費「600億円」に増額
 新東京タワーの建設費について、これまで東武鉄道などは「500億円」と説明していたが、同社はこれを「600億円」に増額した。同社は「2007年度決算説明会」で、「初期投資額約600億円」とし、これとは別に「開業前費用」を約50億円とした。調達の内訳を「資本金300億円、預託金85億円、借入金265億円」と説明している。2006年9月の当会との会談で、新東京タワー株式会社が「建設費が500億円よりもふくらむ恐れは今のところ感じていない」と述べてから、わずか1年半で100億円以上が増額された。今後、さらに増額されるのか、墨田区による出資がなされるのか、その場合、住民へのしわ寄せがどのような形になるのか等、注目される。

マンション屋上への携帯基地局設置は、全住民の同意が必要 札幌地裁判決
 ソフトバンクモバイルが、札幌市のマンションの管理組合に対し、携帯電話中継基地局の設置工事を妨害しないよう求めた訴訟の判決が30日、札幌地裁であった。中山幾次郎裁判長は、「設置は管理組合が多数決で決められる問題ではなく、住民全員の同意が必要」と述べ、設置契約自体を無効として請求を棄却した。判決によると、ソフトバンク側は2005年11月、このマンションの屋上に10年間基地局を設置する契約を管理組合と締結。この際、管理組合の臨時総会で、住民77人中59人が設置に賛成した。着工後、マンション住民が「事前にソフトバンク側が電磁波の身体への危険性を説明しなかった」などと申し立てたため、工事は中断していた。(5/31北海道新聞

新タワー建設費「500億円を上回る可能性高い」と報道
 新東京タワーの鉄骨製作会社の一部がようやく決まった模様だ。新タワーの主な材料は、厚さ約10cmの高強度の鋼板を曲げ加工して作る直径2.3mの巨大なプレスベンド鋼管。加工の際には口径に見合ったクレーンなどの設備だけでなく、経験を要する高度な技術が必要だ。加えて、完成後も鉄骨がむき出しになるので特殊塗装が求められるなど手間がかかる。シャープ堺工場をはじめ大型物件の需要が、少なくとも2年間は旺盛なこともあって「できればお断りしたい」(ある鉄骨製作会社)という声が少なくなかった。鉄骨製作会社の決定について新東京タワー社は「設計が固まっていないのでお答えできない」と話しているが、7月の着工を前に、大手数社がほぼ決まった模様だ。鋼材は、タワー部に約3万6000t、低層部に約6000tを使うとみられる。概算事業費は当初約500億円だったが、鋼材の高騰により上回る可能性が高い。(日経コンストラクション2008年4月25日号「NEWS時事」)

東武が新タワーの名称候補を発表
候補は六つで、
 ・東京EDOタワー
 ・東京スカイツリー
 ・みらいタワー
 ・ゆめみやぐら
 ・ライジングイーストタワー
 ・ライジングタワー
…なのだそうです。
 東武鉄道の広報資料 (PDF)
 AV WATCH (新タワー名称検討委員会座長のコメントなど掲載)

墨田区が「新タワーによる地域活性化等調査報告書」を公表
 墨田区のウェブサイト

新東京タワーが7月着工
 押上・業平橋地区 新タワー関連まちづくり連絡会NEWS第4号 (PDF)

新タワーの環境影響評価書(環境アセスメント)について審議されます
 東京都の審議会は、新タワー事業の環境アセスについて項目ごとの審議を行っており、4回目の審議が2月6日(水)午前10時から都庁で開かれます。予定されているのは全4回なので、今度が最終回となりますが、審議の状況によっては追加開催される場合もあるとのことです。傍聴もできます。
 詳しくは東京都のウェブサイトをご覧下さい。

就寝前の携帯電話、電磁波が睡眠妨げる
 英紙インディペンデントの電子版は、20日「ベッドで携帯電話を使うと電磁波のため熟眠に時間がかかり熟眠時間も減ることが、実験により確認された」と報じた。スウェーデンのカロリンスカ研究所とウブサラ大学、米ミシガン州立ウェイン大学が最近実施した共同実験で確認したという。同紙によると、共同研究チームは18~45歳の男女71人を対象にした実験で、一部は携帯を使う場合と同じ電磁波に露出させ、残りの人には電磁波が出ない偽の携帯を使わせた。続いて、睡眠を取らせた。この研究の結果、電磁波に露出された人はそうでない人に比べ、熟眠にさらに多くの時間がかかった。熟睡の領域にとどまる時間も短かった。頭痛や認知能力の低下を見せた人も多かった。(1月21日中央日報報道)

電磁波の健康影響調査を 米科学アカデミーが報告書
 米科学アカデミーは、高周波電磁波が子どもや妊婦の健康に及ぼす影響を研究する必要があるとする報告書をまとめた。高周波電磁波による健康被害は、従来の研究で明確に確認されてはいない。今回も具体的な被害を指摘したわけではないが、米食品医薬品局(FDA)からの要請に基づき、未解明の健康影響について研究の在り方を示した。報告書は、これまでは大人を対象に短期的な影響を調べた研究が多いとして、成長期からこうした機器の利用を始める現代の子どもへの長期的な影響や、機器の多様化で複数の電磁波を浴びた際の副作用を重点的に検証する必要があるとした。(1月18日共同通信報道)

新タワーの環境影響評価書(環境アセスメント)案と見解書について、「都民の意見を聴く会」を2月1日に開催
 東京都条例に基づく環境影響評価手続の一環として、環境影響評価書と見解書について都民の「意見を聴く」会が開かれます。
 日時:2008年2月1日(金)13時半 
 場所:すみだ女性センター

 同会で意見を述べたい者は、1月22日までに東京都へ応募手続をする必要があります。
 詳しくは東京都のウェブサイトをご覧下さい。

墨田区による新タワー関連事業への支出見込みが105億円に膨らむ
 墨田区は2007年2月、区による新タワー関連支出は06年度からの10年間で78億300万円の見込みであると発表していた。しかし、07年12月10日の墨田区議会新タワー建設・環境対策特別委員会で、区は、これが105億7800万円に膨らむと報告した(区の財政難のために建設を凍結していたが新タワーを契機に凍結解除した「北斎館(仮称)」建設事業なども含めると、計133億3600万円)。78億円ではおさまらないだろうとの当会の予想が早くも的中した。
 増えた分は、電線地中化事業の追加など。
 墨田区による新タワー関連事業への支出が増える分、区民の生活のために本当に必要な支出が削られていくことが懸念される。
 区は105億円のうち32億円は国の「まちづくり交付金」を申請してまかなうと説明しているが、32億円は申請がもっともうまくいって満額が認められた場合の額であり、必ず交付される保証はない。先例として、錦糸町駅北口再開発では期待していた補助金がおりず、区が起債してまかなったという。
 区は「(まちづくり交付金の申請が通る確率が)どれくらいというのは、なかなか申し上げにくいが、できる限り努力したい」と同委員会で答弁した。

新タワーの環境影響評価書(環境アセスメント)案について、事業者の見解書の縦覧を開始
 環境影響評価書について都民、区長から出された意見書について、事業者が見解を示した書面が12月25日から2008年1月21日まで縦覧(公表)されています。(東京都のウェブサイト

新タワー移行による混信、難視聴などの対策を、総務省がテレビ各社に要請
 この費用をだれがどう負担するのかが大問題。(日経BP)(総務省

在京テレビ各社の新タワー利用が決定
 墨田区が新タワー最終候補地に決まってから2年近くかけて、ようやく利用予約契約が締結された。 (12/11毎日新聞

東京都審議会が新タワーのアセスについて審議
 12月12日(水)午前10時から (東京都のウェブサイト

産経新聞が、新タワーについて「地元軽視」を報道
 新東京タワーをめぐり、「情報を早く共有し、一緒に街づくりを」とする地元に対し、東武鉄道は「確固たる情報しか出せない」との姿勢を崩さない。「プラン発表の前に要望を聞いてくれず、内容を教えてもくれなかった。地元置き去りだ」。プランとは、東武鉄道グループが設立した子会社「新東京タワー株式会社」が今夏に発表したプランで、タワー付近にレストランやオフィス、商業施設などが入居するエリアを建設する。地元には東武鉄道側のプラン進行に自分たちの意見が反映されていないという思いが強い。(07/11/22産経新聞

週刊誌『サンデー毎日』11/18号で「新東京タワー」について記事掲載

新東京タワーが名称募集
こちら

文化放送ラジオで、10月24日(水)に新東京タワーについて放送予定
文化放送「吉田照美ソコダイジナトコ」(月~金・午前6時~8時半)の、24日(水)午前7時半からのコーナー で、新東京タワーについて放送する予定だそうです。

東都よみうり新聞(読売新聞の姉妹紙)が「すみだタワーは建設されない?」掲載
 地上デジタル放送は現在の東京タワーで対応可能だとして、東京タワーを運営する日本電波塔(株)は、NHKと民法キー局のテレビ各社に対して、東京タワーの継続使用を提案した。テレビ各社で構成する「新タワー推進プロジェクト」の担当者は「日本電波塔の提案も提案として受けとめ、考慮する」と話している。同担当者は、また「(東武鉄道や墨田区は新タワーが決定したと言っているが)新タワーの建設も移転についても決めたわけではなかった。テナント料をはじめとする条件についての話し合いは継続中」と話している。(10/12東都よみうり新聞(PDF))

墨田区議会新タワー特別委で10月5日に環境アセス案について審議
 墨田区議会

新タワーの建設業者は大林組
 東武鉄道は28日、新東京タワーの施工業者を大林組に決定したと発表した。契約金額は非公開。新東京タワー株式会社が競争入札を実施した。(9/28日本経済新聞)

現・東京タワーが、新東京タワーに「待った」
 東京タワーを経営する日本電波塔は21日、NHKと民放キー局の計6社に、地上波テレビが完全デジタル化される2011年7月以降も継続して東京タワーを利用するよう正式に協議を申し入れたことを明らかにした。すでに放送6社は墨田区に新タワーを建設することで合意しているが、日本電波塔は利用料の値下げなども示し、「局側からもいい反応を得ている」と巻き返しを狙う。
新タワーに待った、東京タワーが継続利用売り込み 9/21朝日新聞
どうなる地デジ 東京タワーVS新東京タワー 9/21産経新聞
東京タワー、継続使用で放送事業者の追加負担求めず 9/21日本経済新聞
新東京タワーに「待った」=本家が継続利用申し入れ 9/21時事通信
“元祖”東京タワー「地デジ移行後も使って」 運営会社、在京局に要望  9/21IT Media
東京タワーが“地デジ続投”をTV各局に求める 9/21AV Watch

最大60万世帯が、2010年末になっても地デジ見られず
 総務省は13日、地上デジタル放送が受信しにくい世帯数を市町村別に公表した。 2011年7月の完全デジタル化前の2010年末時点で、地理的な要因などから全国で最大60万世帯が視聴困難となる見通しで、現行のアナログ放送の10万世帯と比べ、難視聴世帯数が拡大する。(9/13読売新聞)

民放各社の地デジ投資総額、1兆円に膨らむ
 日本民間放送連盟が12日に公表した調査によると、全国の民放127社は地上デジタル放送に対応するために2011年までに総額で1兆440億円を投資する計画だ。体力の弱い地方局の経営を圧迫しそうだ。投資総額は2003年時点の計画に比べ2358億円、29%も増えた。ハイビジョン放送や携帯端末向け地デジ放送への投資経費などが膨らんだ。(9/13日本経済新聞)

岩手県奥州市が、高圧線下での保育所建設を中止
 岩手県奥州市は、田原保育所の移転新築用地を変更することを決めた。今後、新たな用地選定を進め、予定していた来年4月の開園は数カ月遅れそうだ。移転予定地(約6100平方メートル)には高圧送電線が通っていて、市の調査では敷地の3分の1のエリアで0.4マイクロテスラ以上が測定された。世界保健機関(WHO)は「常時平均0.3~0.4マイクロテスラ以上の電磁波にさらされていると小児白血病の発症率が2倍になる」との研究結果を支持している。市は「国が明確な基準を示していない中で、市単独で危険と判断することはできない」としながらも、住民感情に配慮。まだ正式に用地取得していないことから、他に適地を求めることにした。(9/14岩手日報

区議会特別委が新タワーの環境アセスについて事業者に質疑
新タワー建設・観光対策特別委員会が9月12日(水)午前10時から開かれ、新タワーの環境アセスについて事業者(東武鉄道など)から説明を受け、質疑を行う。

新東京タワーの環境影響評価書(環境アセス)案、8月29日から公開中
新タワー事業(業平橋押上地区開発事業)の環境影響評価書案は、8月29日から縦覧(閲覧)されている。

【評価書(案)の公開、説明会など】
・縦覧(閲覧)期間:8月29日~9月27日
・墨田区内での縦覧・閲覧場所:
墨田区役所14階環境保全課・1階情報コーナー、出張所、図書館、すみだ女性センター
・事業者
(東武鉄道等)による説明会:
 9月18日(火)18時半~20時半 すみだリバーサイドホール
 9月19日(水)19~21時 亀戸文化センター カメリアホール
 9月21日(金)19~21時 台東区民会館 ホール
・評価書案について都民等からの意見書の受付:10月12日まで

【今後の予定】
・意見書についての事業者(東武鉄道等)による見解書の公示・縦覧=2008年1月頃
東京都が都民の意見を聴く会を開催
・都知事による審査意見書=2008年3月頃
・評価書の公示・縦覧=2008年5月頃

詳しくは、以下をご覧ください。
東京都のウェブサイト
墨田区のウェブサイト

アラブ首長国連邦のビル、世界一の高さに
 アラブ首長国連邦のドバイに建設中のビル「ブルジュ・ドバイ」が21日、台湾にある「TAIPEI 101」(508m)を抜いて世界最高層となった。開発業者のエマール社が明らかにした。同社によると、ブルジュ・ドバイは来年完成予定で、韓国のサムスングループなどが建設を請け負っており、同日、512.1mに達した。最終的な高さは800m以上になるともいわれている。(7/22毎日新聞

墨田区が地区計画素案
 墨田区は、新東京タワー建設予定地を含む「押上・業平橋駅周辺地区」の地区計画素案をまとめた。北十間川沿いの親水公園整備や業平橋駅前・押上駅などの広場設置、南北通路の整備などのほか、用途地域を商業地域への変更などを盛り込んでいる。今後のスケジュールは、12月の区都市計画審議会、2008年2月の都都市計画審議会を経たのち、08年3月の都市計画決定を目指す。対象エリアは、押上・業平橋駅周辺土地区画整理事業の施行区域を中心とした約35.2ha。このうち、土地区画整理事業地区と鉄道施設部分の約9.6haを対象に地区整備計画を策定する予定だ。
 用途地域、建ぺい率、容積率などの変更については、言問通り沿いが商業地域、建ぺい率80%、容積率400%、その他の地域が準工業地域、建ぺい率60%、容積率300%となっているもの、地区全域の用途地域を商業地域に変更し、建ぺい率を80%、容積率を500%にそれぞれ変更する。その他、第3種高度地区を廃止し、防火地区に変更する。また、建物の高さ制限はタワーを除き150mとすることなどが盛り込まれている。(7/17建設通信新聞

東武鉄道本社、押上駅北側に移転へ
 東武鉄道は、新東京タワー建設に伴い、本社ビルを押上駅北側の同社社宅跡地に移転する。2007年度第3四半期後半の着工、09年内の完成を目指す。地下1階地上6階建て23,300㎡。1階部分には商業テナントを誘致を目指し、他の階には本社と東武グループ会社の機能が入居する。 (7/11建設通信新聞)

パソコン、ドライヤー…電化製品がアブない!?
7/3 ZAKZAK

発売中の『週刊プレイボーイ』誌に新東京タワーの記事が掲載
 7月9日号のカラーグラビア(目次の前頁)。本文中には、地デジの記事も掲載。

WHOが極低周波電磁波についての環境保健基準を発刊
 本文(WHO)
 市民科学研究室による一部翻訳 (pdf)
 (6/18西日本新聞の解説記事)
 (6/19毎日新聞の報道記事)

ニッポン放送ラジオで新東京タワーについて放送
 「森永卓郎と垣花正の朝はニッポン一番ノリ!」のウェブサイトにアクセスし、右側に表示されるカレンダーを「June 2007」(6月)にして「18日」をクリックすると、放送内容が表示されます。

世界一のTV塔建設中 中国・広州
 中国・広州市で高さ610mのテレビ塔の建設が進んでいて、2009年の完工予定。東京都墨田区に11年完成予定の新東京タワーも高さ約610mで「世界一」をうたうが、順調なら広州に一足早くほぼ同じ高さの「世界一」のテレビ塔が誕生する。(5/30朝日新聞)

歌人 タワーに何思う 業平
 2011年に完成する新東京タワーの建設予定地に決まり、一躍全国にその名がとどろいた墨田区の押上・業平(なりひら)地区。国技館のある両国、交通の要衝の錦糸町、花街の向島などと比べ、同区内でも比較的影の薄い存在だっただけに、一番驚いているのは地元住民たち。(5/28東京新聞)

送電線の磁界、規制強化へ
 送電線など電力設備の周りに生じる磁界について、経済産業省は規制を新設する方針を固めた。電力設備の電磁界について、同省は「健康との因果関係は明確になっていない」との立場を変えていない。だが、近く電磁界の環境保健基準をまとめる世界保健機関(WHO)などの動きにあわせ、規制を強化する。6月から、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の電力安全小委員会に有識者、電力会社、消費者団体などが加わる作業部会を設け、具体的な規制対象や磁界の測定方法などを詰める。今秋までに報告書をまとめ、一般からも意見を募り、電気事業法の技術基準を改正する。(4/26朝日新聞) (経済産業省広報文)

携帯電話のためにミツバチ消える
 英日刊紙・インディペンデントが伝えたところによると、蜂群崩壊症候群(CCD)と呼ばれる現象が米国でスタートし、欧州大陸と英国に拡散している。ドイツ・ランダウ大の研究チームは、携帯電話がミツバチの近くにある場合、ミツバチが巣に戻れないとの事実を確認した。研究チームは、ミツバチが電線付近で異常な動きを見せるのを発見、それをもとに実験を行なった結果、携帯電話の電磁波がミツバチの帰宅を妨害できる、との点を究明した。米政府と業界の後援のもと携帯電話の危険に対する研究を主導してきたカルロ博士も「ドイツ科学者の主張に信ぴょう性があると確信する」と同調した。 (4/17中央日報)

4/1 「墨田区基本計画新タワー関連事業編」公表
 墨田区が新タワー関連で10年間に78億円支出する内訳も示されている。(墨田区ウェブサイト

3/26 電磁波の生体影響について総務省研究班が最終報告要旨を公表
 電磁波の健康への影響について研究する総務省「生体電磁環境研究推進委員会」が報告書の要旨を提出したと発表。現在の電磁波の安全基準(電波防護指針)は、健康を守るうえで問題がないとして、総務省の電磁波対策についてお墨付きを与える報告内容となっている。インフルエンザ治療薬タミフルの副作用を調べる研究班が、タミフルを販売して収益を上げている販売業者から研究費を得ていたことが問題になっている。しかし、総務省の同委員会は、電波を利用して収益を上げている電気通信業者の“当事者”や“出身者”が何人も委員になっており、また、電気通信業者から研究費を得て共同研究をしている委員もいるなど、タミフルの研究班以上に、公平性に疑義がある。(総務省ウェブサイト

米研究「携帯使用で精子不良」
 携帯電話を使用するほど精子の質が低下している。不妊治療を受けている男性364人を調査した結果を米クリーブランドクリニックの医師らがまとめ、研究論文を近々学会誌Fertility and Sterilityに掲載する。Ashok Agarwal医師は「1日4時間以上携帯電話を使用する男性は、精子の数、質、量で著しい低下が見られた。電磁波が精子の遺伝子かDNAに損傷を与え細胞を殺している可能性がある」と指摘している。(アメーバニュース

3/21 小学生ら、変電所建設中止求め仮処分申し立てへ
 中国電力が鳥取市中心市街地の遷喬小学校隣で変電所の建設を進めていることに対し、同校の児童や保護者232人が建設差し止めを求める仮処分を今週中に鳥取地裁に申し立てる。電磁波による健康被害への不安などが申し立て理由。代理人の駒井重忠弁護士は「子どもや保護者の人格権、平穏に学習する権利、教育を受ける権利を守るため、訴訟を起こすことも検討している」と話している。(3/22新日本海新聞社

2/17 政府・与党、低所得者に地デジチューナー無料配布を検討
 政府・与党は、低所得の高齢者世帯などへの地デジチューナーの無料配布を検討する。2011年7月に現行のアナログ放送が打ち切られると地デジに未対応のテレビは映らなくなるため、買い替えが困難な世帯に対する支援策が必要だと判断した。簡易型なら1台数千円程度で調達可能とみている。配布は地方自治体が担い、国が財政支援する。(2/17日本経済新聞夕刊

1/30 墨田区、新タワー関連に10年で78億円支出
 墨田区は10年間(06年度含む)で新タワー関連の23事業を推進し、計約78億円を投じる。景観づくりや歩道整備など「移動しやすいまち」事業に32億円、北十間川浄化など「水と緑のまち」に23億円、観光・商業活性化に17億円、押上・業平橋駅周辺や防災拠点の整備に6億円、など。  
 このうち07年度は、約1000万円をかけて押上・業平橋駅周辺の地区計画づくりを進め、観光振興プランの改定や周遊ルートの開発に2000万円を投じるなど、タワー関連に1億2800万円を計上する。国が都市再生のため設けている「まちづくり交付金」に積極的に応募しながら関連事業を進める。(1/30日本経済新聞)

1/26 新タワーの環境アセス、審議会で答申
 新東京タワー建設事業(業平橋押上地区開発事業)の環境影響評価調査(環境アセスメント)計画書について、東京都環境影響評価審議会の総会が26日に開かれ、同審議会第二部会が23日に審議した答申案を了承した。都は近く、この答申とほぼ同じ内容の「審査意見書」を東武鉄道など事業者へ送る予定だ。
 この日の審議では、委員から、鉄塔の風切り音が出る恐れが指摘され、また、渡り鳥の障害になる恐れについての発言もあった。答申には「事業計画の具体化に伴い、新たに調査等が必要となる環境影響評価の項目が生じた場合には、環境影響評価書案において対応すること」との内容も盛り込まれていることから、委員の指摘について都の担当者は、新たなアセスメントが必要になれば事業者を指導していく旨、答弁した。

1/23 新タワーの環境アセスで都審議会が審議 アセスに電磁波の記載求める
 新東京タワー建設事業(業平橋押上地区開発事業)の環境影響評価調査(環境アセスメント)計画書について都知事より諮問を受けた東京都環境影響評価審議会の「第二部会」は、1月23日に審議を行った。都の担当課は、電磁波について環境アセスメントの「項目」とはしないが、「テレビ電波の送信条件や電磁波の状況などについて、今後の環境影響評価図書等において可能な限り具体的に記載すること」という内容を盛り込んだ答申案を示し、同部会はこの案を了承した。同審議会は26日に答申を行う。
 同部会の審議では、都民から提出された意見書の一部や、周辺区長から提出された意見書が公開された。この中で、墨田区長は「電波発信施設については、電波防護指針の遵守が義務付けられており、電磁波の定期的観測等により常にその安全性を確認すること。併せて、タワーアンテナ設置基準(例えば、地上からの高さ制限基準)を設けるなど、電磁波に係る安全性を確保すること」などの意見を出していたことが明らかになった。
 審議では、小林委員(東京工芸大学学長)が「都民や区長の意見で、ずいぶん電磁波の健康影響を心配されているが、この審議会ではまったく関係しないでいいという判断で良いのか」と質問。これに対して、都の担当課長は「電磁波について、条例の「その他知事が定める項目」として、アセスメントをやらせる状況なのかどうかについて、現在、判断ができない。先程の提案内容が現実的な判断ではないかと考えている」と答弁した。
 答申案は、電磁波をアセスメントの項目にはしないものの、住民からの不安の声を重視して、「環境影響評価書案」等に電磁波について記載するよう事業者に求める内容だ。しかし、記載されたとしても、その内容が妥当かどうか、周辺住民への健康影響はどうか、適切に評価される必要があり、そのために、市民をはじめ、すべての利害関係者が、今後のアセスメント実施の過程に関与していくことが不可欠である。
 審議会第二部会での当日配布資料(都による案、都民・首長からの意見など。業平橋押上地区開発事業の部分のみ。PDF)

新タワーの環境アセスメント計画書、1月23日に審議、26日に答申
 新東京タワー建設事業(業平橋押上地区開発事業)の環境影響評価調査計画書について、東京都環境影響評価審議会は、1月23日に審議、26日に答申を行う。傍聴希望者は東京都の審議会担当へ。
 東京都のウェブサイト

07/1/20 江東区のスカパー社屋、住民が「電磁波で健康被害」と建設差し止め求め提訴
 衛星デジタル放送会社「スカイパーフェクト・コミュニケーションズ」による東京都江東区への社屋建設計画に反対する地元住民が19日、東京地裁に工事差し止めを求めて提訴した。訴えたのは、マンション「ファミリータウン東陽」など3マンション計986世帯の有志約2000人で作る「スカパー巨大アンテナに反対する住民の会」など。原告団は19人で構成している。訴状などによると、計画では同区砂町1に地上5階、地下1階建ての「スカパー東京メディアセンター」を建設し、屋上には直径7.6メートルのパラボラアンテナを12基設置する。これに対し、原告側は▽電磁波による健康被害▽景観阻害▽資産価値低下による財産上の被害--など「不利益をこうむる」とし、工事差し止めを求めた。アンテナが設置される屋上部分は、隣接マンションの10階程度に当たり、住居までの最短距離は30~50メートル。また3マンションはいずれも同社屋から150メートル圏内にある。使用される電波は14ギガヘルツ。今月初めから準備工事が始まっている。(07/1/20毎日新聞)

12/20 新タワー周辺ビルに、シネマコンプレックスや温浴施設
 東武鉄道と新東京タワー(ともに墨田区)の両社は、新タワー周辺施設の建築計画を明らかにした。計画では、現在施行中の押上・業平橋駅周辺土地区画整理事業区域内の敷地約3.6haに、総延べ面積約23万平方メートルの商業・業務施設(電波棟含む)を建設する予定。構造は鉄骨一部鉄骨鉄筋コンクリート造とし、施設を各棟ごとに①西商業ゾーン②タワーゾーン③東商業ゾーン④東オフィスゾーン-の4つにゾーニングしている。
西商業ゾーンは地下3階地上8階建てで、シネマコンプレックスやレストランなどエンターテイメント施設を配置する予定。タワーゾーンは、地下3階地上7階建て(低層部)で、通信機械室などタワー関連施設を配置する予定。東商業ゾーンは地下3階地上9階建てで、テーマ型温浴施設やイベントスペース、タワービューダイニングなど観光交流施設などを配置する予定。東オフィスゾーンは地下2階地上29階建てで、高層部には観光交流施設、中層部にデジタル、新技術系などのオフィスや専門学校、スポーツクラブといった複合スクールなどを配置する予定。さらに、1~4階は各ゾーンの施設が接続され、アートやファッション系の物販施設や各種専門店などを配置し、地下1~3階は駐車場で、約1100台が収容可能となる予定だ。
なお、東武鉄道らは、施設建設の計画段階で、容積率を500%と想定しており、現在の容積率300%では都市計画上建設が困難である。そのため墨田区では、押上・業平橋駅周辺地区約35.2haに地区計画の導入を計画し、用途地域を現在の準工業地域から商業地域に変更し、それに伴い容積率を緩和する考えだ。今後、地域の合意形成を図りつつ、都と協議しながら計画案の作成を進め、2007年12月の都市計画決定を目指す。(12/20建通新聞

11/21 都押上・業平橋駅周辺地区に地区計画導入へ
 墨田区は、新東京タワー建設計画が進む「押上・業平橋駅周辺地区」に地区計画の導入を検討しており、整備・開発方針や地区整備計画の策定を段階的に行うなどの概要を明らかにした。2007年6~7月に原案を公告・縦覧し、同年8~9月に案の公告・縦覧、同年11月をめどに都市計画審議会へ付議、同年12月の都市計画決定を目指す。対象エリアは、押上・業平橋駅周辺土地区画整理事業の施行区域を中心に約35.2ha。区では、地区計画の適用にあたり、地区整備計画の策定を都市計画マスタープランの地域別構想に沿って段階的に行っていきたいとしている。初弾は、現在施行中である押上業平橋駅周辺土地区画整理事業地区と鉄道施設部分の約9.6haについて、他区域に先行して地区整備計画を策定し、最終的に、地区計画のエリアである約35.2haを対象に地区整備計画の策定を進めていきたい考えだ。地区計画の整備・開発方針では、「広域総合拠点」として複合市街地形成を図るため、新タワーを活かした区内各所への観光の入口、防災の拠点、商業・業務・文化・住宅の複合開発による拠点の形成を目指す。また、土地利用に関する方針では、大規模用地の開発により、土地の高度利用を促進し、商業・業務・文化機能の整備と防災性の向上を図る。(11/21建通新聞

12/8 「隅田川花火見えなくなった」マンション業者に賠償命令
 隅田川花火大会が見えるマンションの部屋を購入した夫婦が「同じ業者が近くに別のマンションを建設し、花火が見えなくなった」として、約350万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は業者に約65万円の支払いを命じた。水野邦夫裁判官は、夫婦が花火を重視し、取引先の接待にも使うために購入したことを業者は知っていたと認定。引き渡した翌年から別のマンション建設に着手した業者は「観望を妨げないよう配慮する信義則上の義務に違反する」とした。(共同→日経

11/30 電磁波汚染減らすため、北京のテレビ・ラジオ塔を移動へ
 下町の電磁波汚染を減らすため、北京市は5年以内に4基のラジオ・テレビ塔を新しい位置へ移動する。朝陽区の2基の中国中央ラジオ塔と北京ラジオ塔、月壇公園内の予備の中国中央テレビ塔が移動されると、北京市環境保護局のDu Shaozhong副局長が言った。「4基の塔からの電磁波は規制値以下だが、人口が密集した近くの住宅地にとっては、電磁波リスクがあまりに大きい」と、Du副局長は言った。(上海日報

11/27 新タワーの環境アセスメント
新タワーの環境アセスメントについて、新タワー会社(東武)は都条例に基づいて行い、以下のスケジュールを予定しているとのことです。
【今年(2006年)】
・12月4日 東武から都へ調査計画書を提出
12月18~27日 調査計画書の縦覧(縦覧場所は区役所など。図書館でも閲覧可能)
~2007年1月9日 調査計画書への意見募集
【来年(07年)】
・8月 評価書案
・8~9月 評価書案への意見募集
・9月 住民説明会
【再来年(08年)】
・1月 見解書縦覧
・5月 評価書縦覧

06/11/24 東武鉄道、新タワー会社が、新東京タワーのデザインを発表
 東武鉄道のウェブサイト(PDF)

06/10/10 東武鉄道、新タワー会社が「新タワーを核とした複合開発事業の開発コンセプト」を発表
 東武鉄道のウェブサイト(PDF)

06/9/20 墨田区が新タワーの「まちづくりグランドデザイン」の最終報告を公表
 墨田区のホームページ

墨田区が新タワーの「まちづくりグランドデザイン」の中間報告をまとめ、地元説明会を実施
  7/20(火)19時 業平小学校体育館
  7/24(月)19時 女性センターホール
  7/27(木)15時 新タワー建設推進協議会 すみだリバーサイドホール
  8/7(月)19時 みどりコミュニティーセンター
  8/8(火)19時 曳舟文化センター
参考:7/18ライブドアニュース

デザインは安藤氏ら
 新東京タワーの建設を進める東武鉄道は、基本設計を日建設計(千代田区)に委託、新タワーのデザイン監修者に元東京芸大学長の彫刻家・澄川喜一氏と、東大名誉教授の建築家・安藤忠雄氏に依頼したと発表した。 (7/5東京新聞)

韓国国民の94%が「携帯電話の電磁波は有害」
 韓国の「市民環境研究所」(チャン・ジェヨン所長)と、ソ・ヘソク議員室(国会科学技術情報通信委員会)が全国の成人男女1,034名を対象にアンケートを行った結果、回答者の38%が“有害”と答え、56%が“人体に何らかの影響があるだろうが、心配するほどではない”という意見だった。これに対して“有害ではない”という回答は1%に過ぎなかった。
 携帯電話で通話中、体に異常を感じたことがある人は11%だった。一日平均の通話回数が多く、通話時間が長ければ長いほど異常を感じた経験が多いという回答が多く見られた。異常症状としては“耳がつまる感じがする”が60%と最も多く、次に“頭痛がする”(53%)、“精神的に集中できない”(26%) だった。
 電磁波被害を予防する対策としては、“できるだけ一般電話を利用するようにしている”(24%)、“通話をできる限り短くし、代わりに文字メッセージを送る”(21%)、“呼び出し時に携帯電話を耳から離す”(15%)だった。(インターネット新聞JANJAN

経済効果は年473億円と試算
 第一生命経済研究所は10日、新東京タワーが2011年に完成すると、建設地の東京都の「墨田・台東エリア」を中心に観光客の集客などで年間473億円の経済効果が期待できる、との試算をまとめた。08-11年の建設中にも954億円分の効果が見込まれるという。同研究所は「新タワーと、浅草や両国など周辺の観光地との相乗効果で外国人観光客などが大幅に増加し地域経済は大きく活性化しそうだ」と話している。試算によると、11年の開業後には、東京タワー(年260万人)を上回る年300万人規模の観光客が訪問。入場料や放送会社の利用料、さらに宿泊施設など直接発生する売上高だけでも297億円に達するとした。(5/10共同通信)

西田ひかるのOh,my goodness! 最終回
 アメリカで日常当たり前のことが、日本では知られていなかったり、日米の生活スタイルの違う点を取り上げることで、それぞれの長所や短所が浮かび上がったような気がします。
 例えば、アメリカで先日、こんなニュースが報じられました。ある小学校で校舎の隣に高圧電線が走っていることに気付いた校長先生が、児童への電磁波障害を心配し、影響する校舎の使用を禁止したというのです。安全性を確認するためその一帯の電磁波の量が測定され、高圧電線を地下に埋めるか、学校を移動させるか、現在検討中です。
 脳の発育が盛んな子供たちが通う学校施設の近くの高圧電線に関しては、アメリカでは法律で厳しい基準が設定されており、電磁波から子供を守ることが最優先されます。
 一方、日本ではそうした基準がまだまだ不十分ですし、なぜ国が厳しく取り上げないのか不思議です。耐震偽装など建築基準法や、アスベストの問題もそう。「国民を守る」という意味では、肝心なところにルールがなく、どうでもいいところに厳しいルールがあるような気がします。(3/31産経新聞)

テレビ東京社長が「決定ではない」
 テレビ東京の菅谷定彦社長は30日の会見で、新東京タワー建設候補地が墨田・台東地区に決まったことについて「建設が決まったわけでなく、交渉のスタートとして考えてほしい」と述べ、現東京タワーを使っていくこともあり得るとの考えを示した。テレビ東京の出資についても「現段階で決めていない」と語った。(3/31毎日新聞)

新東京タワー、墨田区に決定
 NHKと在京民放テレビ5局は31日、新東京タワー(仮称)の最終候補地を、東京都内の「墨田・台東エリア」に決定した。東武の計画では、タワーの仮称を「すみだタワー」としている。現在の東京タワーは、新タワー完成後も災害時などの予備として使用する予定。
 墨田・台東に最終決定した理由として、第1候補地に選定された際の条件である、◆隅田川をはさんだ台東・墨田両区の区民と行政が一体となった、観光やまちづくり活動の支援や推進が図られること◆地元住民の受け入れ態勢があること◆都市防災に関する行政支援がなされること-の3点について、放送事業者が有識者委員会に、進捗についての意見を求めたところ「概ね妥当である」との見解を得られたからという。また、有識者委員会からは◆都市文化の創世拠点◆選定時の3条件◆タワーの安全性と防災性-の3点について、「引き続き、関係者の積極的な取り組みを切に望む」との見解が出された。
 さいたま新都心の敗因は、放送事業者が実施した第2候補地に決定後の調査で、デジタル放送特有の「SFN混信」と呼ばれる電波障害が発生する世帯数が約14万世帯と、墨田・台東の約2万2000世帯と比べ約7倍となることだという。
 放送事業者と東武は、1年ほどかけて賃料や事業会社への出資など、具体的な条件を詰める予定で、新タワーの着工は08年になる見通し。(3/31ライブドア・ニュース

朝日新聞「すみだタワー決定、31日に発表」と報道
 「第2東京タワー」を検討してきたNHKと民放キー5局は、東京都の墨田・台東エリアに建設することを決めた。31日に発表する。2011年春の完成をめざす。東武鉄道が500億円をかけ建設し、テレビ局が「店子」として賃料を支払う。調査で、サービス地域の端で起こりやすいデジタル放送特有の混信が、さいたま新都心は墨田・台東の約7倍発生することが分かったという。08年半ばに着工予定。一方、東京タワー(333メートル)はFMラジオ局などの電波発射を今後も続ける。テレビ6局が災害時の予備局として使うか、契約を打ち切るかは今後決める。(3/29朝日新聞)

毎日新聞も「すみだタワー決定」報道
 NHKと在京民放キー局5社で構成する「新タワー推進プロジェクト」は、新東京タワーの建設地を東京都の墨田・台東地区とする方針を固めた。2011年の地上デジタル放送完全移行に伴い、携帯電話やカーナビ向けの「ワンセグ」放送を確実に受信するためには、高層ビルによる電波障害を避けるため、東京タワー(333メートル)の約2倍の高さの電波塔が必要とされている。同プロジェクトは昨年3月、墨田・台東地区を第1候補地、さいたま新都心(さいたま市)を第2候補地として検討してきた。各放送局に近いことなどから、墨田・台東地区とする方向で各局の意見がまとまった。建設費約500億円は土地を所有する東武鉄道などが負担し、テレビ局側は賃料を支払う。(3/26毎日新聞)

共同通信が「すみだタワー決定」配信
 NHKと在京民放5局は、「新東京タワー」を東京都の「墨田・台東エリア」に建設することを決めた。月内にも発表する。新タワーは2010年の完成を目指す。地上450メートルには展望台の設置が計画されている。東武鉄道は今後、新タワーの建設と運営を担う事業会社への出資者を募る計画。建設費は約500億円で、放送局も数億円ずつ出資する見通し。(3/25河北新報)

埼玉県知事ら、新都心での新建設案を提示
 上田清司・埼玉県知事らが14日、民放連次期会長の広瀬道貞・テレビ朝日会長を訪問。第2候補地のさいたま新都心の公有地約2.4haにオフィスビルを建て、その上にタワーを造るという新案を提示した。高さは700m超。事業主体として国内企業2グループが別々に名乗りを上げている。広瀬会長は「建設地はまだ決まっていない」としている。(3/15毎日新聞)

ライブドア・ニュースが記事掲載
 14日の墨田区議会予算委員会で、山崎区長は新タワーについて「99.9%(墨田区に)決まったととらえている」と発言し、残りの0.1%の理由については「私が決めることではないから、100%とは申し上げられない」と答弁した。
 現在、地上デジタル放送の電波を送出している東京タワーを運営する日本電波塔も、04年の新タワー構想発表直後に放送事業者へタワーの改修計画を提案している。現在のアナログ放送用アンテナを、11年7月のデジタル放送完全移行後に撤去、アンテナ部分の高さを約100m高くして、タワーの全高を333mから360m程度にする計画。さらに年明けには、東京タワーの敷地内に別棟で送信設備を新築し、災害対策として千葉県君津市に緊急用タワーを建てる計画を放送事業者へ提案している。これらの費用はすべて同社が負担する見込み。(3/15ライブドア・ニュース)

読売新聞が「すみだタワー決定」と報道、墨田区は「決定していない」とコメント
 NHKと在京民放キー局5社で構成する「新タワー推進プロジェクト」は、「第2東京タワー」を、東京都の墨田・台東地区に建設することを決定した。近く、事業主体である東武鉄道側に伝える。
 埼玉県勢はこの間、墨田・台東地区の地盤が軟弱な点を指摘し、「危機管理上、新都心の方が立地に適している」と主張。しかし、同プロジェクトが進めてきた技術検証の結果、さいたま新都心は、難視聴地域への対策費が墨田・台東地区に比べて巨額になることが判明したほか、放送事業者の一部に「シンボル的な新タワーは都内に建設すべき」との意見が依然として根強いこともマイナス要因となった。(3/14読売新聞、読売新聞埼玉版)
 墨田区は区のホームページに「読売新聞の一面に『第2東京タワー墨田区に』の記事が掲載されましたが、区は放送事業者側から正式決定の報告を受けておりませんので、現在も協議中であると認識しております」とのコメントを掲載した。(墨田区拠点整備課

練馬への誘致、ロッテに参加要請
 「新東京タワー」の練馬区への誘致を目指している、区内の商工業者らでつくる「新東京タワー誘致推進協議会」(奥山則男会長)は13日、タワーの経営主体として食品メーカーのロッテ(本社・新宿区)に参加を要請していると発表した。ロッテ広報室は「協力要請を受けたことは事実だが、構想についての具体的な検証はすべて今後の課題」としている。(3/14東京新聞

衆議院総務委員会で質問
 10日の衆院総務委員会参考人質疑で、自民党の田中良生衆院議員(埼玉15区)は「新タワー建設の第1候補地に東京都墨田・台東区エリアが、第2候補地にさいたま新都心の方向性が示されたが、専門家から災害時における情報伝達の重要性を考えると、防災面で優れたさいたま新都心への建設が適当という意見もある」と指摘して、建設候補地を変更する考えがあるかをただした。NHKの橋本元一会長は「災害時にライフラインとしての機能が大変強いことを第一に考えている」との見解を示した。(3/11埼玉新聞

衆議院予算委員会で質問
 3月1日、田端正広衆院議員(公明党)は、予算委員会第二分科会で新東京タワーについて「第1候補地が墨田・台東エリア、第2候補地がさいたま新都心となっているが、 どういうふうになっていくのか。 結論として、作るのか作らないのか」と質問した。
 これに対し、総務省の清水政策統括官は、概ね次のように答弁した(読みやすさを考えて、語順を入れ替えるなど、主旨を変えない程度の加工をしています)。
 「今関東エリアで200m級のビルが建っており、現在の東京タワーが電波を発信している高さでは、電波の届かない場所が生じうるという心配がある。また、ワンセグ放送という、テレビ画面を携帯で受信できるサービスは受信感度が低いので、なるべく高い所から提供したい。今の東京タワーは、昭和33年に建っていて、補修はやっているが長期的な耐震性の確保というところで、良いのかどうかということになっている。
  現在、NHKと在京民放各社による新タワー推進プロジェクトで検討している。15の地域から提案(誘致)を受けていたが、 昨年3月、墨田・台東地区が、立地条件と技術面が優れている(高さ約600m)ことから、また、さいたま新都心は、東京の震災の場合バックアップ機能が可能なことから、候補地をこれら二つに絞った。
  経費の問題があるので、今の東京タワーのアンテナを高くすることも含め、移転の可否も含めて結論を出す必要がある。昨年末まで結論を出すということで自治体との協議を進めてきたが、防災面の措置とか、タワーが事業性があるのかという点があるので、本年3月まで延期して鋭意検討を進めている。タワーの建設は、基本的に放送事業者が事業経営の観点から決定すべき事項なので、総務省としても状況を注視しているところだ」(衆議院TV

毎日新聞が新東京タワーの記事を掲載
  電波の送信場所が東京タワーから新東京タワーに変わると、視聴者にはやっかいな問題も起きる。アンテナの向きを変えなければならないうえ、電波障害の発生場所も、アナログ放送時と変わってしまうことだ。タワーの変更で受信障害が発生しても、誰がその対策費用を負担するのかも決まっていない。
 新タワーの建設構想は足踏み状態が続いている。東京タワーを改修して使う案も消えていないからだ。東京タワーの運営会社は2004年夏、東京タワーを高くすることで地上デジタル放送移行に対応する案を放送事業者へ示した。この案だと、改修費は約40億円で済む。同社の収入は、放送設備などの賃貸料が約6割を占める。新タワーができれば、設備はすべて新タワーに移り、大打撃を受ける。「昭和ブーム」の象徴的存在である東京タワーが、存続の岐路に立っている。
 送信場所を新タワーに移した場合、放送局は東武鉄道と新たな使用契約を結ぶことになるが、この賃貸料を巡る交渉が難航しているようだ。このため放送事業者と東武、墨田区の3者は、業平橋・押上地区を建設予定地にするかどうかの決定期日を、当初予定の昨年末から今年3月末まで延期した。東京タワーか新タワーか。首都圏の視聴者にも影響する決定は、放送局側の判断に委ねられている。(2/1毎日新聞)

WHOが初の電磁波基準案
  世界保健機関(WHO)は、電磁波対策の必要性や具体策を明記した「環境保健基準」の原案をまとめた。電磁波に関する初の本格的国際基準で、WHO本部は「今秋にも公表し、加盟各国に勧告する」としている。原案は、電磁波による健康被害の有無は「現時点では断言できない」としながらも、発がん性について「(30cm離れたテレビから受ける最大電磁波の5分の1程度にあたる)0.3~0.4μT(マイクロテスラ)以上の電磁波に常時さらされ続ける環境にいると、小児白血病の発症率が2倍になる」とする米国や日本などの研究者の調査結果を引用。科学的証明を待たず被害防止策を進める「予防原則」の考え方に立ち、対策先行への転換を促す。基準値は、各国の専門家で作る「国際非電離放射線防護委員会」(本部・ドイツ)が1998年に策定した、周波数50ヘルツで100μT以下、同60ヘルツで83μT以下を採用すべきとし、強制力はないものの、日本など制限値を設けていない国に、この指針の採用を勧告する。(1/12読売新聞)

新東京タワー建設地決定を3月末までに延期
 新東京タワーの建設地の決定期限が、2006年3月末まで延期となった。8月25日に第1候補地の墨田区、事業主体となる東武鉄道、NHKと在京民放テレビ5局で構成する「在京6社新タワー推進プロジェクト」の3者間で交わした確認書では、12月末までに最終決定を行うとしていた。3者は26日に年内決定を断念し、同日付で06年3月末までに決定するとした変更合意書を交わした。 (12/28ライブドアニュース)

押上・業平橋駅地区の区画整理組合設立を、都が認可
 都は15日、新東京タワー建設の第1候補地になっている墨田区の「押上・業平橋駅周辺地区」について、土地区画整理事業の組合設立を16日に認可すると発表した。タワー建設候補地周辺に、駅前広場や、観光バスが通ることができる道路整備などを進める。 対象地区は約6.4ha。2003年の半蔵門線の押上駅への延伸を契機に、墨田区が02年度から再開発を準備。その後、新タワー候補地にも選ばれた。来年2月に工事に着手し、2010年度までを予定。総事業費は86億円で、国が約41億円を補助する。(12/16東京新聞)
押上・業平橋駅周辺土地区画整理事業(墨田区のウェブサイト)

「誘致推進協議会」が報告会
 墨田区の「新タワー誘致推進協議会」の報告会が8日、曳舟文化センターで開かれ、町会や産業団体など約200人が参加した。月内ともいわれる最終決定の前に、候補地をアピールする狙いもあって開いた。東武鉄道の担当者は、放送事業者と新タワーの設計など詳細な協議に入っていることや、10月に新タワー会社設立準備室を作ったことなどを報告した。(12/9毎日新聞)

練馬区で高さ1km超えるタワー建設計画
 新東京タワー誘致競争で「墨田・台東エリア」に敗れた練馬区の誘致推進協議会が29日、高さ1008mのタワーの建設計画を発表した。名前は「東京ワールドタワー」。現在世界一のCNタワー(553m)以上を目指す新東京タワー(600m級)よりけた外れに高い。8mの端数は誘致推進協の中心になった「練馬八日会」からとった。同会は地元企業や体育関係などの団体幹部らで構成しているという。「21世紀の火の見やぐら」や観光拠点がの目的で、上部に防災カメラを設置する。豊島園の敷地約1万平方メートルを買い取って2010年までの完成を目指す。同協議会は年内解散の予定でこの日、ワールドタワーに向けた新団体を作った。(11/30毎日新聞)

2013/04/02 スカイツリー移転に伴う電波障害、これまで7万件判明

 テレビキー局の電波送信場所を東京タワーから東京スカイツリーに切り替えるのを前に、テスト放送を行った結果、これまでに関東地方の7万余りの世帯で電波が十分届かず、アンテナ工事などが必要であることが分かった。
 各局は、4月3日以降、集中的にテスト放送を行う予定。
(4月2日NHK)

2007/10/12 東京都への意見書

当会が東京都に提出した、環境影響評価書案への意見書案の内容を、ここに掲載します。

東京都環境局 都市地球環境部
環境影響評価課 御中

環境影響評価書案に対する意見書

1. 名称、代表者の氏名及び東京都の区域に存する事務所又は事業の名称
名称:新東京タワー(すみだタワー)を考える会
代表者:大久保貞利、網代太郎
事務所:(略)

2. 対象事業の名称
業平橋押上地区開発事業

3. 環境保全の見地からの意見
3-1. 電磁波
3-1-1. 電磁波による健康影響
 本事業の核となるのは、地上波デジタルテレビ放送(地デジ)の電波を送信すると説明されている新東京タワーの建設です。本環境影響評価書案は、新東京タワーからの電波送信によってもたらされる、周辺地域における電磁波上昇レベルの予測値を示し、それらは国の「電波防護のための基準への適合確認の手引き」に基いて計算した、各周波数の「電力束密度の予測値÷国の電波防護指針値」の和は最大0.27であり「1」を下回っているため、「地域住民の日常生活に影響を及ぼすことはないものと考える」と予測しています(365頁)。
 しかし、電波防護指針値を下回るような「弱い」電磁波の長期曝露と健康影響との因果関係は証明されていないものの、その疑いを示すさまざまな研究報告があり、「影響を及ぼすことはない」と言うことは適切ではありません。
 世界保健機関(WHO)の国際電磁界プロジェクトは、高周波(新タワーからの電波は高周波です)についての環境保健基準は来年以降発表する予定です。つまりWHOは高周波の健康影響について現在検討中であり、電波防護指針レベルより弱い高周波電磁波について安全であるとの結論は出していません。
 「弱い」電磁波の長期曝露による健康影響の疑いが否定し得ないことから、いくつかの海外の国や自治体は、予防原則の考え方等から、国際指針値や日本の電波防護指針に比べて、格段に厳しい基準値等を設けています。
 環境影響評価書案に示された新東京タワーからの電波の予測値は、こうした海外の国や自治体の基準値等を超える値となっています。
 たとえば、イタリア、中国では、人が長時間滞在する場所の電磁波(イタリア3MHz~300GHz、中国300MHz~300GHz)について、ともに0.01mW/c㎡に規制しています(総務省「諸外国における電波防護規制等に関する調査報告書」2004年3月)。
 日本の電波防護指針と比較する場合、日本では周波数ごとに基準値が異なるので単純に比較はできないのですが、本評価書案に示されている地デジ電波9波のうち、真ん中の周波数(約539MHz)でみると、

    イタリアなどの基準値0.01÷日本の基準値0.3594≒0.028

となります。
 本評価書案「資料編」に示された予測値は、新東京タワーから1000m以内では、ほとんどの地点でこの0.028を上回っており、1000mを超えても、なおしばらく上回りそうだということが分かります(図表参照)。
 以上のように、事業者は本評価書案において、電磁波の危険性について慎重な対応を講じている海外の国や自治体であれば許可されないであろう数値を示して「安全」と言っているのです。

図:環境影響評価書案が示した新東京タワーによる電磁波の予測値
(日本の基準値を1としたときの比) 

環境影響評価書案に示された東京スカイツリーからの電波強度のグラフ

           新東京タワーからの距離(m)
(電磁波の強さは「環境影響評価書案 業平橋押上地区開発事業 -資料編-」に基づく)

表:各国・自治体の基準値等(539MHzの場合)
  電力束密度 (μW/c㎡)
日本、米国 359.4
国際基準値、韓国、豪州、ドイツ、フランス 269.5 0.75
ベルギー 67.4 0.19
イタリア、中国、ロシア、ポーランド 10 0.028
スイス 2.4 0.007
フランス・パリ市 1.06(携帯基地局について) 0.003
オーストリア・ザルツブルク州 0.001(携帯基地局について。屋外の場合) 0.000002
基準値等は、総務省「諸外国における電波防護規制等に関する調査報告書」
(2004年3月)に基づく

 また、本評価書案は、総務省「生体電磁環境研究推進委員会報告書」(本年4月)において「現時点では電波防護指針を超えない強さの電波より、非熱効果を含めて健康に悪影響を及ぼすという確固たる証拠は認められないと考える」との見解が出されたことを紹介しています(351頁)。
 しかし同委員会は、携帯電話事業者から研究資金を得ている研究者や、携帯電話など電気通信業界関係者、行政関係者でメンバーの大半が占められており、中立公正な立場とは言えないことが批判されています。インフルエンザ治療薬タミフルの安全性について検討する厚生労働省研究班の班長が、タミフルの輸入業者から研究資金を得ていたことが問題となり、この班長が研究班から外された経緯がありますが、電磁波と健康影響について研究する同委員会も、これと同様の問題点が指摘されているのです。
 また、同委員会は活動した10年間の全期間にわたって、実際の業務を「財団法人テレコム先端技術研究支援センター」に委託しました(紙智子参議院議員による質問趣意書への答弁書による)が、同センターは研究組織ではなく、携帯電話など電気通信業者が理事の大部分を占めており、この点からも、同委員会が中立公正でないという重大な疑義が生じています。
 同委員会の報告書自体も、実際に電磁波過敏症の診療や研究に取り組んでいる医師等への調査を実施しないまま電磁波過敏症を否定する内容としたり、論文になっておらず第三者からチェックを受けていない研究結果を掲載するなど、中立公正さや研究の質について疑義があります。
 住民の健康を守るという立場からは、このような問題が多い「生体電磁環境研究推進委員会報告書」を電磁波の安全性を論じる根拠として採用すべきではありません。
 また、新東京タワーは地デジの電波を送信するための電波塔だと説明されていますが、本環境影響評価書案によると、地デジ以外にラジオ、MCA、携帯電話の電波も送信することになっています。全国各地で、携帯電話事業者が住民に十分な説明をしないまま携帯電話基地局を設置し、住民と紛争になるケースが多発しています。この新東京タワーにおいても、ラジオ、MCA、携帯電話の電波送信については事業者によって何も説明されておらず、事業者として誠実な態度とは言えません。新東京タワーが建設されれば、事業者が収入増加のために住民の不安を無視して新東京タワーから送信する電波を増やしていき、住民が被るリスクが増大し続ける可能性が大きいものと考えられます。
3-1-2. 電磁干渉
 新東京タワーからの電磁波により発生が心配される問題は、人体への健康影響だけではありません。電気機器を誤作動させる「電磁干渉」の問題があります。「電波防護指針」を下回るような「弱い」電磁波について、その健康影響については研究者の間で議論が分かれていますが、電磁干渉については研究者の間で異論はありません。
 新東京タワー建設の「最終候補地」が、本評価書案の対象である「業平橋押上地区」に決まる以前の2001年、秋葉原の都有地を含む地区に新タワーを建設する構想が浮上しました。しかし、東京都は新タワー建設に協力することは困難との結論を出し、秋葉原タワー構想は潰えました。東京都は「協力することは困難」とした理由の一つとして、唐津一・東海大学教授(当時)が指摘した電磁干渉の恐れを挙げていました。
 唐津教授は、「秋葉原の頭の上で、デジタル放送の電波をばらまかれると、その真下では感度のよい受信機や各種の精密機器、特に微妙な測定器に妨害が入って使えなくなることが目に見えるのである。」「NHKでキチンとデジタル電波を出したときのシミュレーションをして測定してもらったら、やはり高感度の受信機ではノイズで全く受信不能という場合がでてきた。しかもNHKではこの実験現場のビデオまで、撮影して皆に説明してくれた。」と業界紙で報告、指摘しています(『電波新聞』2001年5月15日)。
 新東京タワー(すみだタワー)は、この秋葉原タワーと同目的・同規模であるので、同様の問題が懸念されます。新東京タワー建設の最終候補地である墨田区は「ものづくりの街」であり、中小企業を中心に多数の工場等が立地しています。これらで使用されている機器等に影響があれば、住民の生活に重大な影響を及ぼします。
 しかし、本評価書案は、電磁干渉について評価していません。

3-2. 景観
3-2-1. 景観
 景観について、本評価書案は、新東京タワーの建設により、「地域景観の特性の変化」について「新たな景観要素が創出されるものと考えられる」等と書き、また、「代表的な眺望地点からの眺望の変化」については「新たな都市景観のランドマークとして認識される」等と予測しています(279頁)。
 しかし、本事業の周辺地域の住民が享受すべき景観利益の保護という観点からの評価について、本評価書案は完全に欠落しています。
 低層住宅地等が多いこの地域に巨大タワーが建設されるという、極めて不釣り合いで不似合いな「新たな景観」の「創出」によって、この地域に住む少なくない住民に精神的損害を与えることが予想されます。

3-2-2. 圧迫感
 本評価書案は、「圧迫感の指標のひとつである形態率は、『建築物の水平面立体角投射率』と定義され、具体的には魚眼レンズ(正射影)で天空写真を撮影したときの写真内に占める面積比として表される。」として、各評価地点におけるこの面積比が最大9.7%であるとして、「圧迫感はない状況と考える。」と予測しています(299頁)。
 しかし、新東京タワーは、高さ約610mという通常建築物では考えられない高さである一方で、タワーであるため横幅は狭く、しかも高くなるほど幅が細くなっていくという特殊な形態であることから、建築物の規模の大きさの割には、魚眼レンズで撮影した写真内の面積比が大きな数値とならないことが特徴です。
 たとえ面積比の数値が小さくても、高さ約610mという国内で類例のない高さのタワーが、低層住宅も多いこの地域の住民に与える圧迫感は小さくないはずです。
 すなわち、超高層タワーという特殊な建築物については、通常の建築物で用いられる評価手法によっては、その圧迫感につき、正確な評価が出来ないというべきです。

3-3. 結論
 以上述べたように、本評価書案による電磁波の予測値によれば、本事業の実施によって周辺住民に健康影響を及ぼす可能性が否定できません。
 また、電磁波による電磁干渉についての評価が欠落しています。
 景観については、その重要な内容について評価が欠落しています。
 圧迫感については、評価手法が不適切です。
 したがって、現時点において、本事業の実施について是認されるべきではありません。

以上

2007/08 環境影響評価書案

環境影響評価評価書案
 
表紙・もくじ
1.事業者の名称、代表者の氏名及び所在地
2.対象事業の名称及び種類
3.対象事業の内容の概略
4.環境に及ぼす影響の評価の結論
5.調査計画書の修正の経過及びその内容の概要
6.対象事業の目的及び内容
7.環境影響評価項目の選定
8.環境に及ぼす影響の内容及び程度並びにその評価  
 8.1 大気汚染
 8.2 騒音・振動
 8.3 地盤
 8.4 水環境
 8.5 日影
 8.6 電波障害
 8.7 風循環
 8.8 景観
 8.9 自然との触れ合い活動の場
 8.10 廃棄物
 8.11 温室効果ガス
 8.12.1 電波(電磁波)
 8.12.2 風による発生音
9.当該対象事業の実施が環境に影響を及ぼすおそれがある地域を管轄する特別区又は市町村の名称及びその地域の町名
10.調査計画書の修正の経過及びその内容
11.その他
注:ここに掲載しているPDFファイルは、公表されたものを当会が独自にPDF化したものです。
原本がカラー印刷でも、モノクロになっている場合があります。
コピーにより、図等が見づらい場合があります。
 

 

 環境影響評価評価書案-資料編-
 
表紙・もくじ
1.事業の内容  
2.環境に及ぼす影響の内容及び程度並びにその評価  
 2.1 大気汚染  
 2.2 騒音振動  
 2.3 地盤  
 2.4 電波障害  
 2.5 風環境  
 2,6 景観  
 2.7 廃棄物  
 2.8.1 電波(電磁波)
 2.8.2 風による発生音  
*1 総務省発行のパンフレットを単に転載した部分(320~329頁)は省略しました。

2007/03/13 都にアセスの情報公開を求める要望書

 新東京タワー(すみだタワー)を考える会は2007年3月13日、新東京タワー事業(業平橋押上地区開発事業)の「環境影響評価調査(環境アセスメント)」について、電磁波についての情報公開を求める要望書を東京都へ提出しました。
 東京都の担当職員は、事業者(東武鉄道など)が中間段階で情報公開することについて特に問題はないとの見解を東武鉄道へ伝えることを約束してくださいました。

 ◇

2007年3月13日

東京都知事
石原 慎太郎 様

新東京タワー(すみだタワー)を考える会
共同代表  大久保 貞利
   同    網代  太郎

要 望 書

 平素より都民の健康増進にご尽力いただき、ありがとうございます。
 私たちは、東京都墨田区押上に建設が予定されている「新東京タワー(すみだタワー)」(以下、「新タワー」といいます)の事業の進め方や、必要性、安全性に疑問を持ち、情報収集・発信などを行っている市民団体です。

 新タワー建設を中心とした「業平橋押上地区開発事業」(以下「本事業」と言います)の環境影響評価調査計画書(以下「計画書」と言います)について、貴職は本年1月31日付で「環境影響評価調査計画書審査意見書」(以下「審査意見書」と言います)を事業者である「東武鉄道株式会社」「新東京タワー株式会社」に送付しました。そこには「新タワーでは、地上デジタル放送電波の送信が予定されていることから、事業の具体化を踏まえ、テレビ電波の送信条件や電磁波の状況などについて、今後の環境影響評価図書等において可能な限り具体的に記載すること」との項目が盛り込まれました。
 私たちは、昨年12月21日付貴職あて要望書で、「本事業の環境影響評価調査(以下「環境アセスメント」と言います)の項目に、新タワーから送信される電磁波について含める」ことを審査意見書に記載するよう求めました。結果として審査意見書は、電磁波を正式な項目とすることを事業者に求めませんでしたが、それに準じるものを求めたものと、私どもは受け止めております。
 本事業の環境アセスメントにおいては、計画書が都民・都内在勤者等の縦覧に供されましたが、そこには電磁波に係る記載はありませんでした。
 都条例の規定によれば、手続きとして都民等に情報が公開される次の機会は、事業者による評価書案が完成した後です。しかし、計画書に記載されず技術指針もない電磁波について、条例の手続きを形式的に踏むだけでは、都民等にとって不透明な進め方と言わざるを得ず、条例第5条(資料の公開)の趣旨にも反します。また、都民に積極的な参加を求めた同第8条(都民の責務)の精神にも反します。
 つきましては、本事業の環境アセスメントのうち電磁波に関わる部分について、下記の通り求めます。

1.業平橋押上地区開発事業の環境影響評価調査図書に記載する電磁波に係る内容について、都民等からの求めがあった場合に、検討状況や調査を行う場合の計画・実施状況等について、事業者に情報開示をさせてください。

2.非熱作用を引き起こさない程度の弱いレベルの電磁波と健康影響との関連性については、研究者の間で見解が分かれています。環境影響評価調査図書に記載する電磁波に係る内容について研究者から意見を聴く場合は、異なる立場の研究者からバランス良く意見を聴き、その内容に反映させてください。

以上

2007/01/09 環境アセスメント計画書への意見書

 新東京タワー(すみだタワー)を考える会は2007年1月9日、新東京タワー事業(業平橋押上地区開発事業)の「環境影響評価調査計画書」に対する意見書を、東京都へ提出しました。

◇ 

東京都環境局都市地球環境部環境影響評価課 御中

「環境影響評価調査計画書」に対する意見書

一、団体名称
 新東京タワー(すみだタワー)を考える会

二、代表者氏名
 大久保貞利、網代太郎

三、団体住所
 東京都墨田区…

四、対象事業の名称
 業平橋押上地区開発事業

五、環境保全の見地からの意見
第1 「新東京タワー」からの送出電磁波
1.電磁波による健康影響問題
 業平橋押上地区開発事業(以下、「本事業」という)の中心は、「新東京タワー」(以下、「新タワー」という)の建設である。新タワーは関東広域圏へ向けて「東京タワーに代わって地上デジタル波を送信する」(環境影響評価調査計画書1頁)ことが目的とされている。
 しかしながら、本事業について今般公表された「環境影響評価調査計画書」(以下「本計画書」という)には、新タワーから送出される電磁波(電波)による各地の電力密度の上昇等について、また、それらによる健康影響等についての環境影響評価が含まれていない。
 電磁波による健康影響は、新しい公害問題として海外各国では市民の関心が強く、多くの国では、携帯電話を子どもに使わせないよう勧告したり(英国)、学校などのそばにある携帯電話タワー(中継基地局)を移動させる(スウェーデン)など、それぞれの政策を講じている。また、地方自治体においても、国よりも厳しい電磁波の基準値を設定する(パリ)などの動きがある。
 国内においても、携帯電話タワーへの反対運動が各地で展開され、設置が中止されたり、または、設置された携帯電話タワーが撤去された例が数多くある。
 新タワーからの電波は、携帯電話タワーからの電波より、はるかに強い。海外の疫学調査では、放送タワー周辺で白血病などのリスクが高くなるという報告もある(オーストラリア・ホッキング論文等)。また、現在の東京タワー周辺における調査結果によれば、イタリアやロシアの基準値を上回る電磁波が測定された場所もある(「NPO法人市民科学研究室」等による調査等)。
 また、仮に新タワーからの電磁波が「健常者」には影響がないものだとしても、ごく微弱な電磁波によって体調を崩す「電磁波過敏症」の方々もおり、そのようないわば「電磁波弱者」の方々が新タワーへの対応を検討できるようにするためにも、電磁波についての環境影響評価の実施は必須である。
 本事業においては、新タワーから送出される電磁波と、それによる健康影響等についての環境影響評価調査を実施すべきである。

2.東京都環境影響評価条例の本旨に照らして
 東京都環境影響評価条例施行規則第6条(環境影響評価の項目)に規定された調査項目は現在、17項目であり、その中に「電磁波」は含まれてないが、同条には17項目のほかに「その他知事が定める項目」も含まれている。
 (1)本事業は610mもの高さを有し高出力のデジタル高周波を送出する放送タワーを人口密集地に新たに建設するという国内で類例のないものであり、(2)電磁波による健康影響の疑いについての研究報告は特に近年になって多く発表されている-ことを考えれば、本事業の環境影響評価の項目・手法については、既存の条文等を機械的に当てはめてよしとすべきではない。新しいタイプの事業、そして、新しい環境問題には、新たな項目・手法の環境影響評価が実施されてしかるべきであり、本事業における新タワーからの送出電磁波は、まさに「その他知事が定める項目」の条文に積極的に該当させるべきものである。
 電磁波の健康影響については、世界保健機関が1996年から「国際EMFプロジェクト」を設置しており、高周波電磁波の環境保健基準を2008~09年頃にまとめるとされている。このような国際的な動向に対応するためにも、新タワーからの送出電磁波についての環境影響評価は必要である。
 そもそも、東京都環境影響評価条例第2条(定義)は、「環境影響評価」について「環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業の実施が環境に及ぼす影響について事前に調査、予測及び評価」を行うこと等と定義している。
 本事業の中核である新タワーが及ぼすおそれがある「著しい影響」とは、第一に電磁波であり、これを項目に含めない環境影響評価調査とは、すなわち、同条例の本旨にもとる欠陥調査であると言わざるを得ない。

3.「技術指針」の作成
 東京都環境影響評価条例第10条(技術指針の作成)は、「知事は、既に得られている化学的知見に基づき、(略)必要な調査等についての項目、方法、範囲その他の事項について、技術上の指針(以下「技術指針」という。)を定めるものとする。」と規定している。
 電磁波についての「技術指針」は作成されていないので、これを新たに作成する必要がある。
 いわゆる「熱効果」を及ぼさない程度の「微弱」な電磁波に長期にわたって曝露された場合の健康影響については、研究者の間でも「影響あり」という見解と、「影響なし」という見解に分かれているのが現状である。
 国際非電離放射線防護委員会が定めた電磁波に係る現行のガイドラインや、このガイドラインに基づいて総務省が設定した「電波防護指針」の基準値は、「非熱効果」による健康影響の予防をまったく考慮していない数値である。本事業の事業者である東武鉄道株式会社等は、新タワーから送出される電磁波がこの電波防護指針を「遵守するので、新タワー周辺の環境に影響を与えることはない」と主張している(東武鉄道株式会社等によるウェブサイトhttp://www.rising-east.jp/faq.html)。
 しかし、非熱効果を無視したこの指針値を大幅に下回る電磁波によっても健康影響が起こる可能性について、現在、研究者の間で評価が分かれているのが実情であり、事業者が主張するように、安全性が確定されているものではない。
 技術指針作成にあたっては、電磁波についての専門家の見解を踏まえる必要があるが、住民の健康を守る観点からは、このような最新の研究報告に即して技術指針が作成されるべきである。すなわち、電波防護指針を追認する立場の専門家だけではなく、「微弱」電磁波の長期間被曝による健康影響のおそれを重視する立場の専門家の見解を積極的に取り入れながら、技術指針が作成されるべきである。

第2 景観
 本計画書105頁の表8.2-30(1)によると、「②代表的な眺望地点及び眺望の状況」の「調査範囲・地点」は「不特定多数の人の利用度や滞留度が高い場所等の代表的な地点として計画地の周辺14地点」としている。
 また、本計画書107頁の表8.2-30(2)によると、「③圧迫感の状況」の「調査範囲・地点」はわずか「5地点」である。
 しかし、調査対象として「不特定多数の人の利用度や滞留度が高い場所」を優先する理由が不可解である。国立マンション訴訟の最高裁判決(2006年3月30日)は「良好な景観の恩恵を受ける利益は法的保護に値する」との判断を示している。「不特定多数の人」のみならず、地元地域に長年居住してきた住民が有する景観権・眺望権等こそが保護の対象であり、そのための評価が必要である。
 特に高さ610mという日本では類例のない高さのタワーが下町であり住宅密集地であるこの地に建てられることによる景観・眺望への影響、圧迫感は極めて大きく、従来の手法よりも踏み込んだ調査が求められる。
 特に圧迫感については、2006年7月5日、名古屋高裁は「圧迫感なく生活する権利ないし利益については、客観性、明確性を備えるに至っておらず、法的保護の対象となるに足る内容を備えていないとの指摘もあるが、日照、眺望、通風などと同様に隣接建設物等から受ける圧迫感も住環境を構成する重要な要素の1つであり、少なくとも圧迫感なく生活する利益は、それ自体を不法行為における被侵害利益として観念できる」との判断を示しており(日本環境法律家連盟『環境と正義』2006年10月号)、従来軽んじられてきた住民の権利を認めていく動きとして注目される。
 以上から、本計画書に示されたそれぞれの調査における調査地点数では、いずれも不足であるいうべきである。
 調査手法については、地元住民が被るおそれがある損害等を評価できるよう、地元住民がそれぞれ自宅からの景観、眺望、圧迫感を確認できるシミュレーションシステムの開発・作成等、より詳細な調査を実施すべきである。

以上